心通わせ

エピローグ

　桜が散り終え、青々しい葉っぱが茂る時期。

　俺は部室へ向かっていた。

　その後企画案が受理され、無事に文化祭の出店が出来た。文化祭当日ではかなりの参加者が集まり、部員総出でも足りず途中からは彩乃も駆り出すほどには大盛況となった。

　そうして、学校からの動画部廃部は否決され、三年生になった今でも無事に存続している。俺も去年の部長たちと同じ様に、そろそろ本格的に受験勉強を始めなければいけなくなっていた。

　そんな事を考えていたら、気づくと部室へ着いていた。扉を開けようとすると勢いよく扉が開いた。

「あ！　司先輩、ちょっとOBSの使い方が分からなくて困ってるんですけど教えてくれませんか？」

「いいぞー。どこを教えればいい？」

　俺は”新しい”部員に録画ソフトの操作方法を教えている。

　三年生になって部員が一人になってしまったのだが、幸いなことに新しく一年生が三人も入ってきたのだ。自分にとって初めての後輩で指導に不安が残ったが、今では四人で楽しく部活動が出来ている。　

「司先輩ー。こっちもちょっと教えて下さいー」

「分かったからちょっと待ってろー」

　いつもこんな感じで騒がしい日々をすごしている。

　どうやら引退はもう少し先になりそうだ。