あなたのかがみ

いと

あなたのかがみ

僕の部屋には鏡がある。

縦長の楕円の鏡が一枚。

勉強机の上にポツンと置かれている。

左には辞書やら参考書やらが並べられているのに、右側には鏡が一枚。


机の前、椅子に座って、右ポケットからスマホを取っていじりはじめる。

これがないと生きていけないんだよな。


それじゃあ読書タイムだ。

やっぱり秋は静かな読書に限るね。

僕の読書は普通の人とは少し変わっている。

何か本を読むのではなく、小説投稿サイトに投稿されている小説を読む。

今日は、短編の気分だからな…お、これいいじゃん面白そうだ。

タイトルは『あなたはかがみ』?

どういうことだろ。

何か伏線とかあるのかも。


―――――――――――――――――――――――――

『あなたはかがみ』

僕の部屋には鏡がある。

縦長の楕円の鏡が一枚。

勉強机の上にポツンと置かれている。

右には辞書やら参考書やらが並べられているのに、左側には鏡が一枚。


机の前、椅子に座って、左ポケットからスマホをいじりはじめる。

これがないと生きていけないんだよな。


それじゃあ読書タイムだ。

やっぱり秋は静かな読書に限るね。

僕の読書は普通の人とは少し変わっている。

何か本を読むのではなく、小説投稿サイトに投稿されている小説を読む。

今日は、短編の気分だからな…お、これいいじゃん面白そうだ。

タイトルは『あなたはかがみ』?

どういうことだろ。

何か伏線とかあるのかも。

―――――――――――――――――――――――――


なんなんだよ、この作品!

まるで、僕そっくりの主人公じゃないか。

思わず途中で読むのを辞めちゃったよ!

そういえば、タイトルには「かがみ」って言葉が使われてるよな…。

思わず顔をあげて、机の右に置かれる鏡を見る。

そこには自分自身の顔が映っている。

いや、自分にそっくりなナニカがこちらを見つめてる。

怖くなって鏡を見るのを辞め、再びスマホを開く。

そのまま電源を押したため、先程の小説がスマホ画面に現れる。

折角だから最後まで読んでみるか。


―――――――――――――――――――――――――

なんなんだよ、この作品!

まるで、僕そっくりの主人公じゃないか。

思わず途中で読むのを辞めちゃったよ!

そういえば、タイトルには「かがみ」って言葉が使われてるよな…。

思わず顔をあげて、机の左の鏡を見る。

そこには自分自身の顔が映っている。

いや、自分にそっくりなナニカがこちらを見つめてる。

怖くなって鏡を見るのを辞め、再びスマホを開く。

そのまま電源を押したため、先程の小説がスマホ画面に現れる。

折角だから最後まで読んでみるか。

―――――――――――――――――――――――――


ここで小説は終わっていた。

いや、終わっていたはずだ。

僕は、いよいよ怖くなってスマホの電源を切った。

今日は疲れてるのかもしれないな。

時計を確認する。

もう、21:00だ。

そのまま机に突っ伏すと、すぐに意識は薄れていった。


うっすらと目を開ける。

ずいぶん寝てしまったようだ。

ぼんやりとした視界のまま時計を見ると、針は2:00を示していた。

なんと、5時間もの間寝てしまったらしい。

寝ぐせがついてないか、鏡で確認しなきゃ。

あれ、辞書?

こっちだったっけ?

まぁいいか、まだ寝ぼけてるのかもしれないし………………





鏡を見ているとまるで自分を見てるかのように感じるけれど、見られているのはあなたかもしれない。さぁ、あなたもチェックしてみなきゃ。やりかたは簡単。電源ボタンを押すだけさ。

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あなたのかがみ いと @ito_3830

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