女子みたいな体のボク、あやめちゃん

第4話

大学は文学部に合格した。

1回生の時は、まだ一般教養。

いくつかの専攻にわかれるのは2回生から。

一般教養の音楽は、めっちゃ人気あるみたいで、ボクも登録したのに、希望者多くて、抽選の結果、取ること出来なかったやないかいっ！！

文学概論の教授は、小説家でもあるらしい。

世界と日本の文学の特徴の比較を授業でされている。

演劇概論は、演劇の活動もやってらっしゃる女の先生で、視聴覚教室で色んな題材を観たり聴いたりしながら研究している。

日本美術史では、切手の｢月に雁｣も出てきて、東海道五十三次の歌川広重だった。

切手ではわからないけど、実際にカラーで観ると、確かにきれいな広重ブルーだ！

西洋美術史では、ピカソから時代を逆に遡っていく授業で、画家たちの、誰に影響を受けながら描いてきたかを知れて興味深い。

体育は弓道にした。

弓道場で、弓道の先生から、道具の説明を受けた。

弓矢の使い方の解説を聞いて、手袋の話になった。

手袋は、どういうものを、どうやって使うかを解説されたあと、先生はボクの前に、手に持っていた手袋をポンッと置いて

｢これは女子用の手袋ですっ！｣

って言わはった。

大学の弓道の先生も、ボクのこと女子に見えたのかなあ～って思うと、なんだかめっちゃ嬉しい気持ちだった。

2回生になったら、美術を勉強しようかなと思っている。

マンドリンのサークルに入った。

夏休み、新入生合宿に参加した。

夜、お風呂場の前で、モジモジしていたら、女の先輩に

｢女子のほうに入りなさいっ｣

って言ってもらえて、ササッと服を脱いで、速攻でザブンッとお風呂に入った。

女子も何人か入っていたけど、みんな何も気にしていなくて良かった。

マンドリンはめっちゃ可愛い音色。

形も可愛い。弾き方も可愛い。