ミッション遂行のための道具は、新しい生き方を見つける。

組織のエージェントとして殺人マシーンとなる訓練を積み、ただ与えられたミッションを遂行するだけの少女、千歳。そして、それと瓜二つの用紙を持つもう一人のエージェント、菜花。
しかし彼女らは組織を抜け出し、とある学園で生活しつつ、その平和を守る秘密の仕事につくことに。

もちろん、そこでは殺しは厳禁。時に荒事になる場合もありますが、それでもそのルールを守らなければならないというのは、二人にとってこれまで受けてきた教えの中にはありません。
そしてそれ以上に戸惑うのは、普通の学生としての生活。もちろんそんな経験なんてあるはずもなく、右も左もわからない初めての環境に飛び込むこととなった彼女たちは、時に十二、三歳という年齢以上に幼く見えることも。
新しい世界に、殺人マシーンとして生きてきた常識は通用しないのです。

ならばそんな世界は、二人にとって行きづらいものなのか。
確かにそこには、慣れないこと戸惑うことで溢れていて、それ故に時には失敗だってあります。ですが同時に、それまで得ることのなかった、人と人との温かい繋がりだってありました。

どちらの方がより良い生き方か。読者としてはもちろん殺人マシーンでない方ですが、選ぶのは今までそれ以外を知らなかった千歳たち。そちらを選んだとしても、慣れるまでには時間がかかりそう。
それでも、少しずつ自分の生きたい生き方というのを探していってほしいです。

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