少し大きな独り言

尾崎中夜

橋の向こう

 今日もあの橋を眺めていた

 ぼんやりと眺めているうちに昼になった


 カップ焼きそばの湯切りが遅れた

 ネットにはカッコつけのどんぐりがいっぱいいる

 

 三、四、五、六


 ベッドでゴロゴロしているうちにもう夕方

 充電中のスマートフォン

 栞を挟まずに閉じた推理小説


 とりあえず買い物に出かけよう


 日記帳にスーパーのレシートを貼っていたら夜がきた

 昨日と同じ夜がきた


 だからってなにも言わない

 君の人生なんだから


 なにか言ってほしそうな顔をしているけど、他をあたって

 橋の向こうに行けずにいるのは、僕も同じだから

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少し大きな独り言 尾崎中夜 @negi3

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