最終話 戦いの時
「行け!! 地味レンジャー!! ここで成果を出して、地主から報酬をもらい、各自溜め込んでいた家賃を払うのじゃ。……あ、もちもちぃー?」
また電話かよ。博士だらしないな。
そういうわけで戦闘である。闇の森林伐採集団は、殺傷能力の高い武器を各自持参していた。
「くっそう!! こうなったら、レッド手裏剣!!」
レッド、どこから手裏剣を出した? 厳密には手裏剣ではなく、単なる三角定規である。だが、レッドの意外にも豪腕な力により、単なるアルミ製の三角定規が手裏剣のようにうなりをあげて、木から木へとぶち当たる。その力で、木が倒れ始めた。本末転倒とはこの事である。
「やっべ。レッドを止めろっ!!」
「わっははっ!! わーっはっはっはっはっはっ」
レッドが壊れた。サイコパスが発動してしまったのである。また、イエローの肥料が三角定規にぶち当たり、袋が破けてしまい、あたりはなんとも言えない臭気が漂う。阿鼻叫喚。こうなると、止められるのは彼らしかいないっ!!
「はい、警察でーす!! くっさ。全員武器を捨てて両手を挙げてくださーい。はい、銃刀法違反ね。署まで連行しまーす」
なお、博士はひとり、ワンボックスカーの隅に隠れていて無事だった事は言うまでもないだろう。
こうして、レッドの暴走により、結果的に木が大量に倒れて損傷が出て、地主に慰謝料を払う羽目となったのである。あくまで結果論だが、こんな奴らに仕事を頼む方がどうかしている。最初から警察に通報していればよかったのだ。
そんなわけでムシヨの中では、地味レンジャーたちの悲鳴が響いていた。はたして、地味レンジャーが家賃を払える日は来るのだろうか!?
非情にも、おわり。っていうか、これが二千二十二年の書き収めと思うと非常に心苦しいところである。
家賃未払い戦隊地味レンジャー☆ 春川晴人 @haru-to
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