泳ぐ

池に沈んだ葉っぱはそのまま

普通の魚のように

すーっと、自然に泳ぎ始めた

さっきみた情景なのに、近くで見るとさらに訳が分からなかった

びっくりして、声も、でない


「―——な、なんだこれ。」


しばらくの沈黙を打ち破ったのは海だった

その隣で雫は口を開けて固まっている

「な?言ったろ。魚になったんだ。」

「いや、いやいや待て、ありえないだろ。ここはファンタジーの世界かなんかかよ。」

「でも今見ただろ、目の前で。」

「しゅ、集団幻覚か…?」

「なわけないだろ」


「ねぇ。これ、触ったらどうなるのかな。」

「「は?」」


いつも好奇心旺盛で何を考えているかわからない、不思議くんの雫

こんなものを見せたら興味津々になるに決まっていた


瞬間


雫は"それ"に手を伸ばし、触れる


「待て!!」







”ぼちゃん”

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木から落ちた魚 @yume_04

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