アリとキリギリス
ノーバディ
第1話
木枯らしが吹いてきた。
もう食べられる草も木の実もほとんどない。
ごはん、いつから食べてないんだろ。
「キリギリスくん、だから言ったじゃないか。僕みたいに一所懸命に働いておかないと後で大変な事になるよって」
アリくんは当然だといった顔で僕に言った。
「そうだね。アリくんは偉いよね」
「僕は偉くなんかないよ。当たり前の事を当たり前にしてきただけなんだ」
「ぼくは……、ぼくだってがんばろうとしたんだよ。でも出来なかった」
「出来なかったんじゃなくてやらなかったんでしょ」
「そうだけど……。アリくんはパレートの法則って知ってる?」
「20%の働き者と60%の普通な者と20%の怠け者がいて、その割合はどこにいってもほとんど変わりない、って奴だろ。それがどうしたんだ?」
「ぼくはその法則に逆らえ無かっただけなんじゃないかと思うんだ」
「どういう意味?」
「ぼくだって働かなきゃって思ったんだ。僕だって何んとかしようと思ったんだ。このままじゃいけないって、必死に足掻いたんだ。でも……」
「でも、遊んじゃったんだろ。それは言い訳だよ」
「アリくん、多分君には一生分からないだろうな」
「うん全然分からない」
「じゃあね、もう会う事はないと思うけど」
「じゃあね」
僕は一人、枯れ草の野原に向かって歩き始めた。
アリとキリギリス ノーバディ @bamboo_4
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- 結月 花「すみませーん、流行りの溺愛作品、何か置いてますかー?」 「そこにないならないですね」 「じゃあ転生悪女からのざまぁは?」 「そこにないならないですね」 「ほのぼのスローライフは……」 「そこにないならないですね」 自分の書きたいものを書きたいだけゆるゆるのんびり書いている物書き。アタイの性癖、ここに置いておきますね(*^^*) ふんわりした可愛い女の子と肉体派系のメンズ(ようはマッチョ)の組み合わせがど性癖500%。長編はこの組み合わせが多いかもしれません。 恋愛ものをメインに書いています。読後に幸せな気持ちになれるような大団円のハッピーエンドが大好きです。 短編は基本的にカクヨムのイベントなどに合わせて書くことが多いのでジャンルは様々。 短編はコメディも書きますが、長編はシリアス多めです。短編からお越しになった方が長編を読まれるとコメディとシリアスの温度差でインフルエンザになります。 読むのも書くのも好きなので、たくさん絡んでください! ※当サイトに掲載されている内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。(Unauthorized reproduction prohibited.)
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