『滂沱条約』君に孤悲

衣草薫創KunsouKoromogusa

緩めて心の張る紐の

緑の葉 優しい風

肌を撫でる 裾を揺らす

許した紐をそのまま解けるほど 信じてはいない


張ってゆく紐は固結び 解けやしない計算難しい

「こうなりたい」「ああなりたい」 信じてはいけない

固結びで解けない紐


は切るしかない自分の心 どうせ君だって裏切るんだろう

「さよなら」合図が轟いて 悲しくなくないさ

閉塞と校庭の宵の迷子の中で 重なる真実の映像 白煙

「どうせこうなる」だなんて いいと吐き捨てたいの



本当に嫌なこと 自分でも分からないの

凍える 外の空気 引いていく潮

緩んだ紐をほっておかないで 責任とってよ


張ってゆく紐轟いて 波打つ海止まりもしないな

湿った空気も吸わないで これでいい あれで良かった

なんて 本当は言いたくもない


私を穿っていく醜い声 これで全て終わりなんだろう?

これからどうなりたいのか 知りたくもないさ

開閉の間 世迷言で 回る世界の果てまで落ちてみたいと 叫びたいの



喚く道徳の向こう側で 犬の遠吠え 叫んでいた

これで「さよなら」だ 全て夢なんだと 固結びで解けない紐


は切るしかないこの気持ちも 全て夢だった 目を覚まして

波打つ海 轟かせて 悲しくなどないさ

天国も地獄もないのなら こんな淡い信頼も現実も

誰が裁けるの? どうか また会いましょう



緩めても解けずに張る紐が...

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『滂沱条約』君に孤悲 衣草薫創KunsouKoromogusa @kurukururibon

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