第3話 敵と遭遇!?

「アニキ~、なんか来るッスよ~」


 力士のバニモンがそう言った。


「えっ!? 何が来るんだ!?」


「見たことのないヤツッスね」


 まさか敵のバニモンか!?



 動く人間の白骨死体がやって来た。


 身長は二メートルくらい。


 頭の上に長さ三〇センチくらいの白いウサギの耳のカチューシャと、腰蓑こしみのを身に着けている。


 両手に長さ一メートルくらいの、バールのようなものを一本ずつ持っている。


 数は一体。


 なんだあの変な格好のヤツは!?


「ウメノ、あいつは敵のバニモンでゴザル!」


「やはりそうなのか!?」


「どうするでゴザル!」


「どうするって、戦うしかないだろ!」


 俺は埋まったままで逃げられないしな!!


「よし、みんなそいつと戦うんだ! 取り囲んで殴れ!!」


「「「うぃ~っす」」」


 力士とジャージのバニモンたちが、敵を取り囲んで攻撃をし始めた。


 骨のバニモンはなすすべなく倒された。


 数の暴力は恐ろしい。


 だが、味方だと頼もしいな!


「やりましたね、アニキ!」


「ああ、みんな強いんだな!」


「あの敵の持っていた武器は、私たちでも使えそうですね。それからあの骨は肥料になりそうですよ」


「そうなのか。では、ありがたく利用させてもらおうか」


「それとあのウサギの耳と腰蓑は食べることができそうですよ」


「はぁっ!? そんなバカな!?」


「これ、うめぇッス」

「いけるッス」

「ポリポリとした食感でうめぇッス」


 力士とジャージたちが腰蓑を食べているぞ!?


 本当に食えるのかよっ!?


「アニキもどうぞッス」


 力士が腰蓑を差し出してきた。


 腹が減ってきていたので、仕方なく食べてみた。


 軟骨みたいな食感の、バタークッキーみたいな感じだった。


 意外と美味しいな。


「こっちもどうぞッス」


 今度はウサギの耳を差し出された。


 軟骨みたいな食感の、ホワイトチョコレートみたいな感じだった。


 こっちも美味しいぞ。


 なんでこんな味がするのだろうか?


 自然の神秘なのかな?


 この世は不思議でいっぱいだなぁ。



「ものすごく今更だけど、あの骨を倒して良かったのかな?」


「どういうことでゴザル?」


「敵側に俺たちの存在を感付かれてしまうのではないか?」


「それは問題ないでゴザル」


「えっ!? なぜだ!? 味方の行方不明者が出たら、不審に思うんじゃないか!?」


「あれは『シャッチョー』という一番ランクの低いバニモンでゴザル」


 社長!?

 一番下が社長なのか!?


「あれは大量にいるうえに、弱くてすぐに死ぬため、いなくなっても誰も気にしないでゴザル」


「そうなのか。なら、安心だな。ちなみに他のは、なんて言うんだ?」


 エントゥリィ・シィトゥ、敵の親玉、一番偉い。

 ヒィラ・シャーイン、二番目に偉い。

 シュニィン、三番目に偉い、ここまでが幹部らしい。

 カ・カリチョー。

 カチョー。

 ジチョー。

 ブチョー。

 ジョームゥ。

 セ・ンームゥ。

 シャッチョー、一番下っ端、大量にいる。


 このようになっているそうだ。


 会社の役職を逆にしたような名前だな。



 その後、俺たちは各々が何をすべきか相談して決めた。


「では、そろそろ始めようか!!」


「うむ、拙者は偵察に行ってくるでゴザル!」


「アニキ、探索に行ってくるッス!」


「私は畑仕事を始めますね」


「周辺の見張り班、行ってくるッス!」


 こうして、俺たちは行動を開始した。


 俺は埋まったままだけどな!!!!!



 その後、いろいろあった。


 力士とジャージたちが畑仕事をしている敵のバニモンを倒して、大量の種を持ってきてくれた。


 その種で大量の味方バニモンを生み出した。


 俺以外の地球人を発見して、作業を手伝ってもらった。


 黄色い液体を手に入れて、進化したバニモンを仲間にすることができた。


 久々に土から出たら、みんなに太ったと言われた。

 その後、運動したら、筋肉痛になって泣きそうになった。


 ギックリ腰になって動けなくなった時もあった。


 幽霊がたくさん見つかって、とても怖かった。


 大軍で敵の拠点を攻めたりもした。


 敵の大群に囲まれて絶体絶命になったこともあった。


 本当にいろいろあったなぁ。



 そして、とうとうエントゥリィ・シィトゥとの決戦の時がきた。


 俺たちはエントゥリィ・シィトゥのいる拠点を包囲していっせいに突入した。


 その後、中にいたエントゥリィ・シィトゥを数の暴力でボコボコにしてやった。


 俺たちは地球を取り返した。


 つくづく数の暴力は恐ろしいなと思った。


 さて、この後は地球の復興だな。


 さあ、がんばろう!!


 めでたし、めでたし、おしまい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

地球がダンジョンに!?物好きなおっさんと幽霊と美女たちのダンジョンサバイバル!? 三国洋田 @mikuni_youta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ