第2話 他の星でもヒモ認定!
魔王を倒してもダンジョンは消えなかった。
俺たちはダンジョンの探索を続けることにした。
まだすべてを探索したわけではないからな。
それにハッキリ言って暇だし!!
ダンジョンの奥の方までやって来た。
そこには直径三メートルくらいの黒い円があった。
これはダンジョンの出入り口だな。
なんでこんなところにあるんだ?
こいつはどこにつながっているんだ?
ちょっと興味が湧いてきたぞ!
よし、この先に行ってみようか!
では、全軍突入だ!!
出入り口を抜けると、そこは森の中だった。
ここはどこなのだろうか?
調査してみようか。
まずはこの森の中からだな。
すると、新種の動植物を多数発見してしまった。
どうやらここは地球ではない星のようだ。
といっても、環境は地球とほぼ同じみたいだけどな。
空は青いし、空気や太陽もあるようだしな。
調査範囲を広げていくと、この星にも地球と同じような人型知的生命体がいて、町があることが分かった。
しかも、日本とほとんど変わらない町並みだった。
文明のレベルは高い星なのかな?
当然だが、この星の人たちは俺たちの分からない言語を使用していた。
不便だなと思っていると、情報処理力さんがあっさりと解読してくれた。
すごいもんだな!
さすがは俺のスキルだ!!
さらに調査を進めると、この星にも人を襲うモンスターと、それらを統べる魔王が存在することが分かった。
モンスターたちは、俺たちにも襲いかかってきたので、仕方なく倒していた。
主に攻撃力さんと魔法攻撃力さんがな。
すると、この星の人たちから、モンスターを倒して欲しいと頼まれるようになっていった。
報酬も払ってくれるそうなので、引き受けていた。
そのような生活を続けていると、調子に乗ったこの星の人たちが、今度は魔王を倒して欲しいと依頼してきた。
当然報酬は破格なものだ。
報酬に釣られたわけではないが、異世界の人たちが困っているようなので引き受けた。
決して報酬に釣られたわけではないぞ!!
これは人助けだ!!
そして、俺たちは魔王を倒すことに成功した。
防御力さんと魔法防御力さんが守りを固め、攻撃力さんと魔法攻撃力さんが攻撃する、いつもの戦法で割と簡単に倒すことができたぞ。
ステータスさんたちは、その星のすべての国で称賛され、英雄になった。
そして、俺はすべての国でヒモ男認定を受けた。
なんでじゃぁぁぁぁぁっ!!!!!
俺だって多少は……
多少は……
あれ?
戦ってないような気が……
いつも通り後ろで、会話力さんたちと雑談していたような気が……
いや、そもそもステータスさんたちは俺のスキルなのだから戦っているに決まっているよな!
うん、間違いない!!
だから、俺をヒモと呼ばないように!!
この星の人たちは、ただちにヒモ男認定を解除しなさい!!
残念ながらされることはなかった。
その後、またダンジョンに戻って探索を続けた。
すると、また違う星に通じる出入り口を見つけてしまった。
暇なので行ってみると、その星にも魔王とモンスターがいて、人々を襲っていた。
モンスターは俺たちにも襲いかかってきたので、仕方なく倒していった。
すると、またモンスター退治を依頼されるようになった。
当然報酬はもらっている。
それを何度も繰り返していると、また魔王を倒して欲しいという依頼がやってきた。
報酬が素晴らしかったので、引き受けることにした。
そして、また俺たちは魔王を、いつもの戦法であっさりと倒した。
ステータスさんたちは、その星のすべての国で称賛され、英雄になった。
そして、俺はすべての国でヒモ男認定を受けた。
なんでだよっ!!!
俺も戦った……
戦ったっけ?
ん?
あれ?
戦っていないような気がしてきたのだが……
いつも通り後ろで、動物や子供に好かれる力さんたちとのんびりしていたような……
いやいや、俺のスキルが戦ったのだから、俺も戦ったことになるに決まっているよな!
うん、間違いない!!
完璧な理屈で、証明終了なのだ!!
だから、この星の連中は俺をヒモ男と呼ぶんじゃないぞ!!
残念ながらヒモ男と呼ばれ続けた。
その後も俺たちは星々を転々としながら、魔王やモンスターと戦ったり、のんびりしたりしながら暮らした。
ステータスさんたちはどこの星でも英雄になったが、俺はどこでも永久にヒモ男認定されたままだった。
なんでこうなるんだよっ!!
ステータスさんたちは俺のスキルなんだぞ!!!!
なんでそれが分からないんだよっ!!
くそったれがぁぁぁっ!!!
完。
地球にダンジョン出現!?ステータスが美女化する能力を得て、最強なんだけど、周囲からヒモ男だと思われるようになりました!! 三国洋田 @mikuni_youta
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