地球にダンジョン出現!?ステータスが美女化する能力を得て、最強なんだけど、周囲からヒモ男だと思われるようになりました!!

三国洋田

第1話 最強のヒモ野郎?

 なぜか地球中にダンジョンが出現した。


 ゲームとかに登場する迷路のアレだ。


 内部には積極的に襲ってくるモンスターや、凶悪なわなが大量に存在するが、未知の資源も大量にあるらしい。


 しかも、中に入っただけで、小説やゲームに出てくるステータスが記載されたウィンドウが見れるようになるうえに『スキル』と総称される超能力が使えるようになるそうだ。


 さらに、モンスターを倒せば身体能力が上がり、新たなスキルを覚えることもあるそうだ。


 これは一獲千金の大チャンスだと思った俺は、さっそくダンジョンに入った。


 そして、妙なスキルを手に入れた。


 それは『ステータス項目人間化』というものだ。


 どのようなスキルかというと、名前通りステータスの各項目が人間になるというものだ。


 ステータスには、HP、MP、攻撃力、防御力、体力、速力、器用さ、魔法攻撃力、魔法防御力、精神力、忍耐力、運、集中力、バランス感覚、持久力、直感力、決断力、情報処理力、接客、容姿、善、悪、変態、ギャグ、営業、教養、会話力、動物や子供に好かれる力、中二病力、その他もろもろ力という項目がある。


 これらがすべて人間になるのか。


 というか、その他もろもろ力って、なんだよ!?


 意味の分からんものもあるなぁ。


 スキルを使用したら、いったいどんなヤツが出て来るのだろうか?


 うーむ、想像も付かないな。


 よし、こういう時はやってみようか!


 では、スキル発動だ!!


 すると、俺の前に……



 なぜか黒い全身タイツを着ているうえに、全身に大量の白い紙風船を付けている、変なお姉さんのHPさん。


 フリルだらけの魔法少女っぽいピンクの服を着た、おばさんとお姉さんの間くらいの年齢のMPさん。


 赤いジャージの上下に、釘バット二刀流のちょっと怖い感じの攻撃力さん。


 金属鎧の塊で、性格も堅物そうな防御力さん。


 肉襦袢にくじゅばんを着ている熱血な性格の体力さん。


 なぜかタイヤを持っている、白いジャージ姿のクールな速力さん。


 なぜか全身に針金と包帯が巻き付けられている怪しい感じの器用ささん。


 黒いフード付きのローブを身に着けた怪しい感じの魔法攻撃力さん。


 胸のあたりに黒い文字で『魔法防御』と書いてある肉襦袢にくじゅばんを着ている、何を考えているのかよく分からない魔法防御力さん。


 道着を着ている凛々りりしい感じの精神力さん。


 胸のあたりに赤い文字で『忍耐力』と書いてある肉襦袢にくじゅばんを着ている無口な忍耐力さん。


 ゴミ袋を着ている幸薄そうな感じの運さん。


 スマホのようなものをずっといじっている学生のような集中力さん。


 なぜか人間の右足の着ぐるみを着ているバランス感覚さん。


 なぜかマグロの着ぐるみを着た持久力さん。


 胸のあたりに緑の文字で『免疫力』と書いてある肉襦袢にくじゅばんを着ている免疫力さん。


 なぜか電球を持っている博士のような直感力さん。


 裁判官みたいな格好をしている決断力さん。


 パソコンの着ぐるみを着ている情報処理力さん。


 メイド服を着ている接客さん。


 力士の着ぐるみを着ている容姿さん。


 ネイビーのスーツを着ている真面目そうな善さん。


 天使みたいな格好をした悪さん。


 町で普通に見かけるような格好をした変態さん。


 金色の全身タイツに、赤いモヒカンのカツラと、腰蓑こしみのを身に着けているギャグさん。


 グレーのスーツを着ている真面目そうで清潔感のある営業さん。


 眼鏡の教養さん。


 ドレスを着ている派手でブランド物が好きそうな会話力さん。


 保育士みたいで優しそうな動物や子供に好かれる力さん。


 左目に眼帯を付け、両手に包帯を巻いた、ブレザーの学生服を着た中二病力さん。


 奇抜な衣装としか言いようのない何かを身に着けた変人のその他もろもろ力さん。



 このような妙な格好の美女たちが出現した!?


 こ、これが俺のスキルなのか!?


 全員ものすごく美人で目の保養になるけど、こんな連中でダンジョンを攻略できるのだろうか!?


 なんか不安だな……


 だが、一獲千金のためにはやるしかないか!


 よし、ダンジョンの探索を開始しよう!!


 では、出発だ!



 探索は順調に進んでいった。


 近付いて来たモンスターは攻撃力さんが撲殺してくれた。


 モンスターの攻撃はすべて防御力さんと魔法防御力さんが防いでくれた。


 遠くにいるモンスターは魔法攻撃力さんの魔法で倒してくれた。


 罠は直感力さんが見つけて、器用ささんが解除してくれた。


 発見できなかった罠は、毎回運さんが引っかかってくれた。


 ダンジョンの情報は情報処理力さんがまとめてくれた。


 何かに迷った時は決断力さんに決めてもらった。


 雑務は忍耐力さんが全部引き受けてくれた。



 俺は特にやることがないので、会話力さんと雑談をしたり、営業さんや教養さんと勉強したりしていた。


 ギャグさんが一発ギャグを見せてくれる時もあった。


 動物や子供に好かれる力さんに子ども扱いされたり、中二病力さんに決めゼリフを考えてもらったりもした。


 容姿さんに服を選んでもらったりもした。



 探索を開始するまでの不安はなんだったのやら、といった感じだな。


 すべて取り越し苦労だったか。


 みんなすごいもんだな!!



 そんな感じで、俺たちはどんどんダンジョンを攻略していった。


 そして、持ち帰ったものを売りさばき、財を成していった。


 俺の人生はとても順調だな!


 素晴らしい!!


 ただ、周囲の心無い人間たちから、ヒモ男扱いされているけどな!!


 腹立たしいぜ!


 ステータスさんたちは俺のスキルなのだから、全然ヒモではないのにな!!



 ある日、ダンジョンから魔王を名乗る変なヤツが出て来て、地球を侵略すると宣言した。


 そして、大量のモンスターを地球に解き放った。


 俺たちはそのモンスターたちを倒し、その後、魔王も倒した。


 ステータスさんたちはすべての国で称賛されたが、俺はすべての国でヒモ男認定を受けた。


 なんでやねん!!!!!


 意味が分からなさすぎるぞ!!!!!


 俺はヒモではないだろ!!!!!!!!


 ステータスさんたちは俺のスキルなんだぞ!!!

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