第3話 探し物はどこへ

『ピーピー』

と汚い部屋の中で音が鳴った。

ガサガサと地を這うように手が床を揺らす。

だが、音の方へと手が伸びるが必要なものは見つからないようだ。

そんな中、暗がりのなかガサガサと探す彼女の頭を思いっきり叩く男がいた。

それが塩田円(シオタエン)だった。彼は彼女に言った。

『わーちゃん、探すなら電気つけてから探せ。それにこんな散らかってたら見つからんよ』

わーちゃんこと座敷わらしは言う。

『はーっ?! 私は電気とかなくても目に光線が出てるから見つかるわ。』

円は訳の分からないことを口走る彼女に対して、ハイハイと適当な返事をして部屋を出ていった。

そして2時間後、ピーピー鳴いていた携帯を座敷わらしは新聞紙の積まれている所の1番下から見つけた。

座敷わらしは携帯を見つけてひと安心して、また寝た。

その様子を見ていた円はホッとして自分の部屋に戻って行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

座敷わらしと塩 ソノハナルーナ(お休み中) @eaglet

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ