第7話 永遠も夢うつつに

最終的な採択はなされた。

夢であった永遠の世界。

虚構で作られた何もない世界。

彼のために作られたが故にただ一途な乙女である「ラプラス」はそれを認める。


「君がそう望むならそうしよう。君だけの悪魔である「私」はそうゆう存在だから。

いや、そう再定義したに過ぎない。

『眼』のない生活は楽しかった。

未来は貴方が受け止めると言った。

一緒に乗り越えること言った。だから未来を見て、貴方の反応を楽しみますね」

「ああ、そう言えば名前がなかったな。

ラプラスじゃ味気ない。「未来」はどうだ。白波 未来」

「ええ、いいかも知れません」


世界が少しずつ崩れていく。

永遠は夢うつつ。それはうたかたの夢。

ただ夢だとしても前へと進めるだろう。

そんな思いを胸に俺は目を覚ました。


時間は7月7日七夕の早朝。

まだ朝日が出ていない中で俺はふいに空を見上げる。

東より朝日が出る。

赤い空、暖かい朝日は黄金にも見える。

暁の空は星の残光と朝日で美しかった。


背中を叩かれた。

それは「未来」。

振り向いた。そして、唇に感触がある。

「彼女」の誠意いっぱいの口付けに答えようと、「彼女」の背中に手を伸ばす。

朝日と星が私たちを見守る中で「未来」に思いを馳せながら

俺はただ前を向いていた。

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昼想夜夢  yuerin @yuerin317

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