異世界転生?
輝空歩
異世界転生?
男は夜道を、うめき声を出しながらゆっくりと歩いていた。彼は足跡の代わりに、血をぽつぽつと落としている。
彼はひき逃げにあったのだ。
電話もひき壊され、挙句夜の道路には誰もいなかった。
そのため、彼は自力で病院へと向かった。
街角から大きな建物が姿を現した。病院だ。
男は倒れそうな体を必死に堪え、入口まで足を運んだ。
しかし、警備員は誰もいない。 男はがっかりしながらも、自動ドアを通り人を探し院内に入った。
暫くたっても、誰一人姿を現さなかった。
おかしい。
男は思う。ここは都内一の岳端大学病院。夜に人がいないわけないのだ。
彼は人がいると信じ、血だらけの体を動かした。
そして、電気が消えた。
彼は困惑したが、考える疑うほどの血は脳に残っていなかった。
彼は前を見ると、廊下の先が明るくなっているのを気づいた。
そして彼は歩き続けた。
そしていよいよ光は目の前に来た。
彼は最後の力をふり絞り、一歩前に歩いた。
「なに..」
のどがつぶれた彼でも、驚き声が出た。
目の前には壮大な世界が広がっていた。
まるで中国の山の頂上から見下ろすような多くの緑の山。そしてその間を流れる水色の川、青空の中を流れる雲。
下を見ると彼は巨大な四角いコンクリートから突き出たトンネルの中に立っていた。
そして視界の隅から何かが近づいてくる
ドラゴンだ。
鎧のような銀色の鱗に身をくるめ、隙間からシュッと伸びた青い毛を生えしている。奴の黄色い目は、彼を睨んだ。
幻覚か..
彼は脳にそう言い残し、意識を失った。
☆
目を覚ますと、男は病院のベッドにいた。助かったのだ。
やはり最後のは幻覚だったのだ。男は日常に戻れたように感じ、心が安らいだ
暫くたった頃、看護婦が病室に入ってきた。
「目を覚まされたんですね? 気分はどうですか?」
「...」男は声を出そうとするが喉が言う事を聞かない。
「びっくりしましたよ。院内に血だらけで倒れているんですから」
それはかたじけない。男は思った
すると看護師は突然衝撃の一言を発した
「ドラゴンに襲われたんですってね。ここ最近多いですからねぇ」
異世界転生? 輝空歩 @TS_Worite
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