一生の糧となる、いい作品です

カクヨムを席巻している異世界転生・ハーレム物の一つではあるけど、この作品は別物と思った方がいいかもしれない。
タイトル『性奴隷を飼ったのに』は本作品に相応しいかよく分からない。私もこのタイトルに釣られた一人ではあるものの……。主人公は領主として奴隷商人を処罰しただけでは奴隷の身分は解除されないため、その奴隷をいったん自分が購入してから奴隷契約を別の契約に結び直す。奴隷商人は購入者の名前をすべて吐き出させたうえで処刑している。
主人公はヘタレでも陰キャラでもない、妻娘を愛する社会人だったが召喚によって家族から引き離された。元の世界に戻る方法がないわけではないが、やはり召喚されていた女子高生時代の妻との出会いが究極の選択を強いる……。
仲間の一人が人の人生の記憶を映写する能力を持っていて、仲間ひとりひとりの人生が深く掘り下げられている。作者はまた世の中の仕組みを少し斜め後ろからより本質的に見ている。ヒロインたちがどうしたら自立して生きていけるかを考えている。たんたんとした語り口ながら、これらは作者自身がこれまで真摯に生きてきたからこそ書けたと私は思う。
このほかは、ほかの方々のレビューに書かれているとおりで、私がカクヨムを読み始めて出会った中で最高のラブ・ストーリーです!

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