なんと面白い作品なんだろう。読み進むほど惹き込まれる。関西弁の会話が優しく絶妙である。
この世界でダンジョンマスター=魔王は人間のレアスキルの一つであり、そのスキルを持つ人間が空間を召喚し、魔物を召喚したり冒険者を幹部として雇い、入場料を取ってダンジョンを経営する。ダンジョンで殺されれば寿命の一部が奪われる。魔王を討伐すれば魔王の寿命の一部を奪える。
主人公は友達をイジメから守ったらイジメられるようになって引きこもったが、ヒキニートするには家が貧乏すぎた。父親が勤めていた会社が倒産したため、高校を辞め、冒険者ギルドに登録して働かなければならなくなった。ランクは最低のGで、攻撃力を持たず、スキルは物置としても使えない『一人部屋』。
父親は魔王のスキルを持ち、山田家の庭にダンジョンを作るが、魔王のレベルが低すぎて一階層しかなく魔物も出てこず、冒険者に寿命を奪われていく。寿命がなくなれば家のローンが無くなって保険もおりるので、それでいいと父親は思っている。
そんな主人公は、冒険者ギルドでピンク髪の女の子に出会いダンジョン攻略に誘われる。そのダンジョンで二人は絶体絶命の危機に陥る。そこで『一人部屋』の中に出現したあるものに救われるが、この女の子、淫乱詐欺師の疑いが濃厚なのだ。
ところがこの女の子には重大な秘密があった・・・。
この作者の作品は、ある程度読み進まないと本当の面白さが分からないようになっていて、しかも読み終わったらまた読み返したくなるほどなのに、なぜかカクヨミのシステムでは人気が出ないようになっているようだ。
だからこそ、このレビューを読んだあなたにぜひ読んで欲しいと叫ばずにはいられない。