第2話
私は休職をしてから2ヶ月、3ヶ月ごとにふれあいの森〈ブルージュの祝い〉でゾウノミヤさんと面談をした。それはあくまでも休職から復職に向けてのステップアップだった。
ただ私は心の部分で特に体調が悪かったのだ。
そんな中でゾウノミヤさんはある提案をしてきた。
「よかったらでいいんだけど、介護職員初任者研修の資格を取ってみませんか? きっとナマケモノさんなら今まで頑張ってきたんだから、この資格も取れると思うよ」
私は復職のためになるならとその提案に乗ることにした。その日のうちに、携帯で「介護職員初任者研修」について検索をかけて、その資格が取れる所の受講手続きをした。
お金はかかってしまうが、この資格をとって道が開けるならいいかもしれないと思い、受講の決意をした。
実際、資格を取るまで時間はかかったし、受講の終わりにテストもあった。ただ受講しているのはみんな優しい方ばかりだった。年代もナマケモノのひとまわりもふたまわりも年齢が上な方ばかりで、最初は圧倒されたが目指す目標はみんな同じだから自然と幼馴染みたいな関係に周りはなっていた。
ただ私は最後までそこまで仲良くなれたかは...謎である。
そして、はれて私は介護職員初任者研修の資格を取った。それを職場であったふれあいの森〈ブルージュの祝い〉に報告した。
すると、今まで資格が無かった自分に対してや病気になってしまったことに対して散々嫌味散らかしに話していたゾウノミヤさんから「いつぐらいから働く?」と手のひら返しに言葉を返して来た時に、資格があるとこうも違うのかと思った。
しかし、私の中で介護職員の資格について記憶に残っている出来事がある。
それは、同じフロアで働いていたキリンさんが言っていた言葉だ。「あの子(ナマケモノさん)さ、資格取っても初任者研修でしょ、実務者研修ないと信用出来ないから、独り立ちするまで時間かかるね」それを聞いて、介護職員初任者研修取っても意味ないのかって考えちゃったことである。
だから、この資格を取っても意味がなかったのかもしれないと心の中では思っていた。
話は戻るが、休職してから1年が経ち、ここで働き続けるか辞めるかを面談の中で問われたのだ。その面談でこの1年で変わった出来事をゾウノミヤさんは話してくれた。
「コロナも大変だったけど、どうにか食い止めたよ。職員は全然変わってないよ」
その言葉を聞いて、パワハラがあっても何があっても職員が変わらないことをそこで分かりました。
でも、私はゾウノミヤさんとの面談で仕事を続ける選択をしたが、もう一度考えて1週間後電話で教えて下さいと言われた。そのため、1週間で親にもそしてネット上でも辞めるか辞めないかの相談をしました。結局のところ、パワハラがあった事実を忘れるにはその場所から去る選択肢しかありませんでした。そして、私は仕事を辞めました。
仕事を辞めてからどう過ごしていたかはうる覚えでしか覚えていなくて、確か家と病院を行き来していました。iPadを買ってからナマケモノの生活が変わりました。絵を描いて、それを初めて始めたTwitterやInstagramに載せていました。あとは、本屋で私と同じような病気の方がどのようにして寛解に至ったかを書いた本を大量に買って読んでいました。ただ本が読めない時もあって、その場合は漫画のようなエッセイ本を読んでいました。
ただ一部例外があって読める本がなぜかありました。それが、村上春樹さんの本でした。一時期、村上春樹さんの本ばかり読んでいました。読めるのがそれしかなかったからかもしれませんが。
無職期間はほとんど休むのが仕事でした。
そのため、木の上つまりは家での療養が欠かせなかったです。
療養後、新たな仕事を探すことになりました。
風船とナマケモノは一緒に浮かんでいる ソノハナルーナ(お休み中) @eaglet
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