第2話ガラにもなく……

「私のこと……どう思う?嘉嶋くんから見て」

「へ?それって……」

抽象的な質問に困惑する。

「あっ、だっ……から、アレ、だよ……そのぉ、や、ややっヤりたい……的な、ことを……」

「……えっとぅ〜何故にそんなこと……」

校内でそれなりに話題に上がる女子生徒——煌上安須咲こうがみあずさの口から発せられたいかがわしいセリフに、視線を足もとに落とすしかなかった。


「そういうのって……好きでもない奴に言うのは避けないと、じゃない……もし、みさかいなく襲う下劣な奴が相手だったら、トラウマになる事案だよ。考えなし……ってならやめた方が良いよ。そういう……期待させるの」

「ご、ごめんなさ、い……その、えっと……」

「たきつけたくて……呼び出したの?」

「そういうんじゃ……ただ、気になって。関心が……無いのかなって。私に対して……」

彼女の声量が落ちていく。

「煌上さんが望むことなら、従うよ。ただ……成り行きで自ら汚そうとするのは、止めとかないと……後悔するよ。じゃあ、これで……」

ベンチから腰を浮かせ、立ち上がり校舎内に戻る俺。

屋上での会話にため息が漏れる。


まったく……責任って言葉はそういう使い方をするものじゃないっての。

階段の段差を一段ずつ下りていく俺の足は重い。

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不可抗力なのに責任を取れだなんて 闇野ゆかい @kouyann

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