不可抗力なのに責任を取れだなんて

闇野ゆかい

第1話仕方ないじゃん……不可抗力なんだって

「見たよね……私の、ぱ、パンっ」

「あっえっ、あっえぇーと……は、はい」


壁に追いやられ、逃げ場のない俺は、壁に両手をつき両サイドの逃げ道を塞ぐ女子生徒の詰問に、止むを得ずに正直に返した。

いわゆる壁ドンというヤツだ。

男子が女子に……となれば恋愛に発展するであろうが、そうではない。

浮かれられない、断じて浮かれるような場面とこではない。

プロポーズをされている、というのではなく……ある事について、問い詰められているという状況なのだから。


校内の関係者が滅多に足を踏み入れないフロアの空き教室に呼び出された俺は、三限目が終わった休み時間にやらかした出来事について追及されることは想像がついた。

アレは、事故だ。

アレは、不可抗力というヤツだ。

けっして画策してのことではなく、作為的でもない。

紛れもなく、不可抗力である。


そりゃあ、当事者かのじょからすれば、堪え難い辱めといっても過言ではないだろう。

俺だって、異性に下着を見られるのは抵抗がある。


彼女が続ける言葉にビクビクと怯えながら、彼女が下す審判の結果に身構える俺だ。


「せ……責任、取って……くれる、なら……あのことは、無かったことにして、あげる……どう、かな……嘉嶋かしまくん?」

「せ、責……責任?」


そ、そうきたかぁ……


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