魔王と勇者のその後(1日後)
魔王サイド
「ふっはっはっは」
まさか勇者の奴まんまと騙されるとはな!
我は四天王を殺された影響で魔力を失いしばらく動けなかったと言うのに。
「馬鹿だなぁ。魔王の言葉を信じる勇者がいたなんて」
まあ、実際あの勇者に言った通り精霊の剣がないと倒せないわけだけど…倒されなくとも攻撃を受ければ間違いなくもう、魔力を回復することは出来なかったからな。すると、近くにいた部下が話掛けてきた。
「でも、魔王さま。本当の剣の場所を教えるのは良くなかったのでは?」
「いや、嘘つくのはなんかほら。違うじゃん? 卑怯な魔王とか魔王っぽいけど…我が目指している魔王像とは違うわけよ?」
「はあ、まあいいですけど死なないでくださいね?」
そう言って部下は離れていった。
改めて考えると馬鹿な勇者だ。魔王の言葉を信じる勇者がどこにいると言うのか?
まあ、でも正義感に溢れて自分の名誉なんて欲しくないって思ってるようないい奴だったな。
しょうがない。次来た時は茶くらい出してやるか。
「おーい、高級玉露を買ってきてくれ」
我は部下に茶を注文するのだった。
勇者サイド
「馬鹿な魔王だったなぁ」
俺はそう呟きながら精霊の森を歩いていた。
魔王がくれた地図は正確で安全な道を示してくれるので怪我なんてしないで進めるのだ。
今思えば本当に謎な魔王だった。まさか、自分を倒せる剣を紹介する魔王とはな。
それが命取りって何で分かんないんだろう。
まあ、でも色々を気をきかせてくれるいい奴だったのは確かだったなぁ。
「…今度、行くときは手土産くらい持っててやるか…饅頭とかかな?」
気がきく魔王様はお好きですか?※カクヨム甲子園中間突破 タカ 536号機 @KATAIESUOKUOK
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