朝の清らかな光の下、強く歩き出す私になる

本作は、一年前、三年前の自分に書かれた文章である。
読者は十五歳、十三歳の自分を思い浮かべ、夏休み最後の日をどんな気持ちで過ごしていただろうかと思い出そうとするに違いない。

本作の私は、何かしら不安を抱えている。
十五歳のときはあまり感じられないが、十三歳では死にたい気持ちを抱えていたことをにじませている。

過去の自分にお礼をいう文章「怖いことを、昔の自分が乗り越えてくれたから今の自分がいます。ありがとう」が、すごくいい。
生きていると、様々な難問に突き当たる。
そんなとき親は慰め、問題を解決する方法を教えてくれる。
だから、自分が自分の親となって褒めてあげよう。

過去は変えられないが、未来は変えられるという。
だけれども、過去を変えることもできる。
それが、過去の自分に手紙を出すこと。
過去を変えるのに一役買ってくれる。

「まだ生きられるかどうか分からない人へ、一緒に生きましょう」
最後の一文はいい言葉だ。
隣にならんで歩いて行く優しさが感じられる。