プレゼン
会社の入り口に受付の方がいた。
しかも、ひとりならぬ二人、いや三人、四
人、五人…
えっ…
受付だけで何名いらっしゃるの⁉︎
って状態だ。
…
フロアにテレビが設置してあった。
受付を済ませてしばし待っていた。
するとテレビから〇〇会社不祥事で倒産寸
前と流れた。
〇〇会社って…
あんな大きな会社が倒産したら大変だよな。
子会社も少なからず影響を受けるだろう…
と、ふと頭をよぎる。
受付を終えたのでいざ最上階へ。
これで由奈子の人生が決まる。
由奈子を絶対渡さない。
エレベーターでそう誓っていたら、あっと
いう間についていた。
…今のエレベーターって早いな。
もう着いたのかよ。
…
よし‼︎
オレは自分の顔に喝を入れた。
パン‼︎
フロアに響き渡る音を聞いていざ‼︎
コンコン。
「はい、どうぞ」
渋い声。
ドアの向こうに由奈子のお父さん…社長が
いる。
キィ
大きなドアを開いた。
そこは社長室でもあり、隣は会議室にもな
っていた。
「やあやあ、ようこそ。」
「はい。今日は、よろしくお願いします。」
…あまりの大きさと窓からの景色に圧巻さ
れる。
…
「では、早速なんだが君のプレゼンをお願い
しようかな」
「はい‼︎」
「では、こちらのお部屋へ」
秘書の方らしき人が社長室の隣のドアを開
ける。
…
また広い。
そしてスーツを着てビシッと座る男女が数
名。
ここで圧巻されている場合じゃない。
パソコンを開きプロジェクターに手早く繋
ぐ。
資料多めに用意しておいてよかったー。
そして、いざプレゼン開始。
オレが今までやってきたこととは、どこで
も学べる勉強だ。
今は、ネット環境が優れているのでとにか
くどこでも学ぼうと思えば簡単にできるの
だ。
そして、わざわざ家庭教師の先生が家に来
なくてもモニターを通して勉強ができる。
そして質問もスムーズにできるように工夫
したりもした。
このオレのつくったシステムが導入されれ
ば、家庭教師の先生がわざわざそのお宅ま
で行かなくてもいいので交通費や時間がコ
スト削減になる。
さらに、勉強のスキルアップシステムも色
々組み込んでいて楽しく学べるよくにした。
勉強は、クイズだと思ってもらえれば苦じ
ゃなくなる。
色々なことが効率よくなおかつ円滑にいく
ように組み込んだシステム。
…
「いかがでしょうか…?」
「うむ、素晴らしい」
はー…
社長からの素晴らしいの言葉にオレはミン
ト味の飴を口に入れたかのようにスーッと
なった。
そして、となりに座っている男性が、
「社長、素晴らしい人材ですね!どちらから
お招きしてきたのです?」
と質問されていた。
「あぁ、こちらの青年をぜひ時期社長として
お迎えしようと思う」
皆が一斉に目を丸くしてオレを見た。
ん?
「へっ⁉︎オレが時期社長⁉︎」
「あぁ、どうだろう。君ならこの会社も由奈
子も守ってくれると思うんだが」
「はい‼︎オレ頑張ります‼︎由奈子も…あ、由
奈子さんも絶対に幸せにします‼︎」
と社長や会社の人たちの前でも誓った。
すると拍手が浴びせられた。
「ありがとうございます‼︎」
オレは会社を出た後、由奈子のもとに一目
散に向かった。
由奈子の家に向かう途中…
河原に久々に由奈子が立っていた。
「由奈子ー‼︎」
「あ、ユキトくん‼︎」
「オレさ、やったよ‼︎プロジェクト成功した
‼︎」
「うん。」
「じゃあ、オレと結婚してくれる?」
「うんっ」
由奈子は、涙を流しながらオレに抱きつい
た。
川の女神様由奈子は、もう精霊じゃない。
それから数年後
オレは時期社長として毎日頑張って働いて
いる。
婚約者の由奈子も一緒に仕事を手伝ってく
れている。
由奈子の婚約者だったはずの御曹司は、実
は〇〇会社の息子だったのだそうだ。
お父さんは、いち早く不祥事を見抜き早々
に手を引いていたらしい。
お父さんは、娘や従業員を大切に思ってい
ると思う。
由奈子は、一緒にオレともお父さんとも仕
事するようになり少しお父さんの気持ちも
わからなくもないかなと苦笑いした。
幼い頃の友達が高校生で再会して、川の精
霊がギャルに変装していて、デブなオレが
痩せて、社長になる。
人生ってスゲーなとオレは由奈子を抱きし
めながら思った。
「由奈子、愛してるよ」
「ありがとうユキトくん。わたしも愛してい
ます」
おしまい。
おデブなオレと意味深ギャルと川の精霊 猫の集会 @2066-
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