「書籍化」という肩書に夢を見ている人たちに、僕から伝えたいこと

鴨山兄助

肩書の影響力ってさぁ……

 初めましての方は初めまして。僕は鴨山兄助かもやまけいすけと申します。


 突然ですが、去る四月二十五日に僕の処女作『白銀のヒーローソウル』が第九回オーバーラップ文庫大賞(第二ターン)にて佳作に選出されました。

 所謂書籍化決定というやつです。僕のTwitter等を見ている方はもうご存じかもしれませんが。


 それはともかく。

 これだけの情報だと、このエッセイを読んでいる皆様は「なんだ、ただの自慢かよ」と思うことでしょう。

 そうですね、自慢ですね。


 しかし同時に、皆様はこうも思っているのではないですか?


「書籍化決まった作品なんだから、さぞPVが凄いんだろうな」



 ……はい、先に結論を申し上げますね。


「書籍化決まっただけじゃ、PVは悲しいくらい伸びないぞ!」



 そんな馬鹿な話があるか、そう思った貴方に言います。

 これが現実です。

 書籍化が決まっただけでは、本当にPVは増えません。

 カクヨムでリワード焼肉? そんなものは幻想です。


「えっ? そもそもPV少ない作品が書籍化とかあるの? PVやポイントを稼いだ作品こそが書籍化されるんじゃないの?」


 そうですね、それも正解です。

 しかし世の中には、別ルートというものが存在します。


 所謂「従来のラノベ公募」ですね。


 一口に書籍化作品と言っても、そのルートは様々です。

 多くのPVやポイントを稼いで、出版社からお誘いのかかる「拾い上げ組」。

 タグ等を設定し、WEBサイト上のコンテストで受賞する「コンテスト組」。

 そして、昔ながらの原稿用紙(最近はデータオンリー)に収めて、長い期間審査してもらう「公募組」です。


 僕が受賞したのは、所謂公募なのです。

 それが他の二つとどう違うのかって?

 これは極端な言い方になりますが、公募は【WEB上でのポイント等は一切関係がない】という事です。


 つまり【本にした時の】面白さで勝負する場なのです。


 はい。察しのいい方はもう気づいたかと思われます。

 僕の処女作は、はっきり言ってそんなにPV無いです。


 では実際に、僕の書籍化作品のPVを見てみましょう。


『白銀のヒーローソウル』↓

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887612545


 小説情報の一番下にある、アクセス数を見てください。

 見ましたか? はい、そういうことです。

 他の書籍化作品なら数十万、数百万はありそうなPV数が……7412です。

 これ累計ですよ?


 カクヨムは各話のPV数も見れるので、最新話付近のPVを見てもらいたいのですが……。

 見ましたか? 一桁です。

 書籍化報告から数か月経ってますが、そんなもんです。


 はっきり言いましょう!

「書籍化というには、皆様の想像しているような影響力はありません!」

「書籍化決まればリワード焼肉だぁ? そんなものは幻想です!」

「書籍化決定だけじゃ、PVは本当に増えないんですよ!」


 と、ここまで悲しい現実を提示してきました。

 ではどうすればPVって増えるんですかね? それも楽して増やしたい。


 それは簡単だけど、難しい話です。

「名のある存在に宣伝してもらえばいいんですよ」


 有名レビュアーでもよし。

 有名な作家先生でもよし。

 有名企業でもよし。


 名高い存在に宣伝してもらえば、PVは爆増します。


 具体例を出しましょう。

 以下の二作は僕が書いた未書籍化作品です。


『それはカードゲーマーにとって都合のいい世界 〜カードゲームアニメの世界に転移したけど、前の世界のカード持ち込めたので好き放題します〜』↓

https://kakuyomu.jp/works/16816700428837422533


『俺がカードゲームで無双できる都合のいい世界 〜カードゲームアニメの世界に転移したけど、前の世界のカード持ち込めたので好き放題します〜』↓

https://kakuyomu.jp/works/16816927859964781188


 前者はありがたいことに、今年一月に「カクヨム金のたまご」に選ばれて、カクヨム公式からレビューをいただいた作品です。

 見てくださいこのPVを。短編なのに8483もありますよ。

 公式レビューから沢山の読者様が来られたのです。ありがたいですね。


 で、後者の作品は所謂連載版です。

 短編版の最後に、連載版への誘導を乗せたのですが、そのPVはというと……?

 

 3 4 9 9 1 P V !


 わぁいたくさん。

 今なおPVグルグル回ってます!

 書籍化決まった処女作は、亀の速度ですけどね!


 はい。つまりそういうことです。

 「書籍化という名誉」ではPVに大した影響をもたらしません(少なくともカクヨムでは)。

 カクヨムでPVをグルグル回すには「名声ある存在からの他薦」です。

 WEB上での流行をガン無視している場合は、特にこれが当てはまります。


 もう一度言います。

 必要なのは「名誉」ではなく「名声」。

 PV稼いでリワード焼肉したければ、名声に頼るか、流行を書くかの二択です。

 あっ、パワーワードのあるタイトルも必要ですね。




 書籍化ということ自体には、皆様が想像している通り夢があります。

 それは間違いありません。

 打ち合わせは楽しいですし、色々なワクワクを体験できます。


 しかし、それはそれとして!


 PVの増加には期待するな!


 少なくともカクヨムでは書籍化決定の肩書に影響力は無い!


 これが今回、僕が皆様に伝えたかった悲しい現実です。

 当然ながら、作品の面白さには自信ありますよ。

 でもやっぱり、WEB上での流行に合わせてないとこんなもんです。

 それだけは知っておいてください。

 変に欲張っても、肩透かしを食らうだけです。


 僕からは以上です。

 最後に、この言葉でエッセイの締めとさせてください。




 リ ワ ー ド 焼 肉 い き て ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! ! !




 PS.

 まぁそもそも的に、毎日更新してない僕が悪いという話でもあるんですけどね。

 あとは軽さが無いとか色々。心当たりが無いわけではないんですよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「書籍化」という肩書に夢を見ている人たちに、僕から伝えたいこと 鴨山兄助 @kudo2121

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ