貴方は私の事、一度も好きって言わないんだね！

第1話 貴方は私の事、一度も好きって言わないんだね！

“貴方は私の事、一度も好きって言わないんだね！”

私の彼氏と付き合い出して５年になるのだけど、、、？

彼氏から一度も私の事を好きと言われた事がない！

今思えば？　彼と付き合った時も、彼から【付き合ってほしい】と

言われていない。

彼は何となく、俺の言いたい事が分かるだろうと私に近づいてきた。

好きとか付き合いたいとか言わなくても、私なら分かってくれてると

思い込んでいるのだ。

所謂、“態度とかニュアンス”みたいなモノなのだろう。

そんなモノで私が彼の言いたい事が理解できる訳ないじゃない！

女は好きな男性に、言葉にして面と向かって言ってほしいのよ！

好きなら好きと！　付き合いたいなら付き合いと！

何故？　彼はそれができないのかしら？

・・・ただ彼は自分から相手の女性にアプローチをかけなくても

モテるみたいだ。

今まで彼と付き合ってきた元カノ達に、彼から付き合ってほしいと

言った事がないと彼から私に話してくれた。

まあ、私が言うのも変な話だが彼は確かにカッコいい！

モテるに決まっている！

だから彼から女性に言わないのかな？

女性なら誰にでも言うのは嫌だけど？　好きな女の子には言葉

にして言ってほしい！

彼の返事は？　【なんか緊張するから、言いたくない！】

なんだよそれ！？　

緊張するって？　毎日言ってほしい訳じゃないじゃないよ。

“一度ぐらい私に好きと言いなさい！”

まあ、こういう彼氏は他の事でも言わない事がるのよね。

例えば、お店に二人で行って店員に注文する時も彼は私に

メニュー表を見てなになにと言って私に注文させる。

店員が来ると一言も話さない彼。

ただ、若くて可愛い女の子ならジロジロと舐めるように見ている。

何も言わないくせに、じっと店員の女の子なんか見ないでよ！

それは二人で出かける時も一緒だ。

可愛い女の子が横を通り過ぎると、彼女の私の事なんかお構いなし！

振り返ってでもその女の子を見たい彼。

それって？　“浮気癖”があるって事なのかな？

勿論！　私は彼を信用しているし彼も浮気はした事がないと言っている。

私は彼のその言葉を信じているのだけど、、、？

怪しくて仕方がない！

普段から自分で何か言う彼じゃないのに、その時ばかりは

はっきりと私に言葉にして言うからだ。

まさに！？　“浮気してますよ”と言わんばかりの言い方。

彼を信じてない訳じゃないけど、疑っている私の心を拭いたい！

だから彼が本当に浮気してないか確かめる事にした。

彼には仲がいい男友達に飲みに誘ってもらう。

そこからは、時間との勝負だった。

ふたりが飲みに行った居酒屋に可愛い女の子が二人で先に来ていた。

彼は迷わず彼女達のところに行って口説き始める。

彼がこんな巧みに女の子達を口説き始める姿を私は初めて見た。

『ねえねえ？　二人なら俺達と一緒に飲もうよ。奢るよ！』

『えぇ！？　いいの？』

『いいよいいよ、こっちの席においでよ。』

『ちょっと待って！』

『俺も伝うよ。』

『ありがとう～』

女の子達と飲み始めて気分が良くなったのか？

一人の女の子にターゲットを決めて、口説き始める彼。

『この後？　二人でホテルに行かない？　アイツらも行くらしいよ。』

『えぇーどうしようかな？』

『いいじゃん！　みおちゃんは俺のタイプで大好きになっちゃった～』

『もぉ～飲み過ぎなんじゃないの～』

『“何回でも言うよ、俺はみおちゃんが大好きだー！”』

『誰が好きだって？』

『だから、、、えぇ！？　な、なんでココに居るんだよ！』

『私には“好きって言った事がないのにさ！　それに浮気はしないんでしょ！”』

『・・・う、浮気じゃないよ、ただ一緒に飲んでただけで、』

『じゃあーわたし帰るね。』

『えぇ！　今日はありがとう。』

彼は私が急に現れてしどろもどろになっていた。

勿論！　私は彼を許さない！

彼が自ら浮気しないと言ったのだから、許す訳がない！

散々扱き使って、買いたいモノを買ってもらって彼とは別れるつもりだ！

彼の事は完全に冷めてしまった。

もう二度と！　彼のような彼氏は作らないと私は心に決めた。