死神と踊る前夜

第56話 死の淵垣間見る

あれはヤバい！！

モーテ「魂×1（ワンソウル）－斬撃（スラッシュ）！」

「止めろ！土（アース）！」

「氷（アイス）」

「付与（エンチャント）」

周りの兵が全力でソノを守る。

その間もソノの演奏が続く。

モーテ「邪魔だ！魂×1《ワンソウル》－付与（エンチャント）」

剣に付与（エンチャント）を使う。そして…

モーテ「黒蘭！」

黒蘭でまとめて倒していく。

「火（ファイア）」

「雷（サンダー）」

だが兵士たちも粘る。

モーテ「魂×3（スリーソウル）－斬撃（スラッシュ）！魂×2（トゥーソウル）－風（ウィンド）！魂×2（トゥーソウル）－岩（ロック）」

こっちも魔法を使っていく。ソノのあの演奏を止めないとやばい。さっきから体全体がやばいと言っている！

モーテ「死ね！魂×4（フォーソウル）－斬撃（スラッシュ）」

ソノまでの道が開いた！

モーテ「噴射（ジェット）！」

急加速して開いた道を突っ切る！

何人か前を塞いでくるが…

モーテ「黒蘭」

抜けた！

ソノ「…」

「させるか！！」

兵士が突っ込んできてソノへの盾になる。

モーテ「そろそろまずい…」

ソノ（あと少し…これを演奏しきれば強制的に死だ！）

モーテ「黒蘭…」

こんな雑兵を相手している場合ではないのだが…森では見なかった群れの強さだ…自分の命を投げ打ってソノの1秒を稼いでくる。こんなパターンもあるのか…

モーテ「！？」

なんだ？今…死？いやまだ…何の景色だ？

間違いなく頭に何かが浮かんだ。

モーテ「ボーッとしている場合じゃないな…」

一呼吸。

そして脱力。

踏み込み光速で間合いに入る。

そして…

モーテ「霊剣術、奥義、黒枯」

「「「「「？」」」」」

ソノ「？」

だが次の瞬間にはソノの首が落ちていた。

「「「「「！！！！！？？？？？？」」」」」

モーテ「ふう…」

「ソノ大将？！」

「なんで？いつの間に？」

「嘘だろ？」

ズキッ

モーテ「ちっ…少し遅かったか？」

微妙にソノの魔法の効果が残っている。ていうかさっきの嫌な景色は何だ？

動けは…する。大丈夫。

タコ＋亀「…ノナイウ国全軍退却」

おっ？他国に充分なダメージが入ったら自分たちは撤退か。まあもう同盟も意味ないだろうからな。

モーテ「許すわけないでしょ、どいてね」

周りのデューエの兵を黒蘭で薙ぎ払う。ノナイウも逃がすつもりはない。

？？？「木（ウッド）」

モーテ「！？」

大質量の木が一瞬にして出てきて俺を襲ってきた。

タコ＋亀「…来たか」

？？？「うほー！」

別に怖くはないが木の密度が厚くて簡単に突破とも行かない。足止めとしてなら完璧にやられた。

タコ＋亀「ゴリラを送ってくれるのは太っ腹だな」

ゴリラ「最高傑作だからなお前も」

またゴリラの合成獣（キメラ）…研究所に乗り込んだ時のやつよりクオリティが格段に上がっている…いや、驚くべきはそこじゃない。

魔法を使えるのか？

孔雀のやつも幻覚作用を持っていたがあれは一種の体質に近い。だがあれは違う。間違いなく魔法として魔法を使ってきた。

本来、魔法で獣化（ビースト）した場合は魔法が使えない。

もし魔法が使える合成獣（キメラ）を作れるなら獣化（ビースト）の上位互換と言ってもいい。

モーテ「もう少し感知精度を上げる…感覚強化（センスバフ）」

魔力量も常人より遥かに多い。理性もある。なんだあれは…？あれがもう1匹の成功作か？

モーテ「ただで帰すのは癪だし…飛行（フライ）」

上に飛びあがりノナイウの兵への射線を開ける。

モーテ「魂×5（ファイブソウル）－光線（ビーム）」

特大ビームをノナイウの兵に向けて放つ。

ゴリラ「！？盾（シールド）」

流石に反応はした。でも防げるかは別問題。

盾（シールド）にひびが入る…そして…

そのまま貫通してノナイウの兵を消し飛ばした。

ゴリラ「クソ…」

モーテ「思ったより弱められたな…」

それでもノナイウの兵は退いていった。

モーテ「さて…」

デューエとインジオ国は頭がいなくなったため烏合の衆である。

モーテ「こっちはしっかり仕留めようか」

俺は逃げ惑う兵士たちに対して黒い剣を振るった。

モーテ「はあ～～～」

一通り片づけた俺はそのまま直行でカステの城に帰っていた。当然あの戦争のこと、俺のことも含め国には報告が行くだろう。俺の正体は隠したいかもしれないが3国が知ってしまっては他の国が知るのも時間の問題と言える。というか帝国に関しては俺に手を出す戦力がないだけですでに知っている。

モーテ「思ったよりめんどくさくなったなあ…あの場で何もせずに逃げるべきだったか？でもそれだと舐めてこの城にまた攻められそうなんだよな…やっぱ、あそこで絶望感を与える必要あった。例え次から多少のリスクがあろうと…それにインジオとノナイウだけならそこまで問題でもなかった。だがソノが…あいつが出てくるとは…俺の正体もばらしやがって…」

ソノにはしてやられた。その結果、人間世界の変化を見るつもりが既に城に帰ってしまっている。

モーテ「もういいか…もう何年かしたら不老（エイジキープ）のために毎日殺しまわることになるんだし…今日は魂を沢山刈り取れたということにしよう…」

俺は血まみれの体をふろで洗い流した後、ゆっくりベッドで眠りについた。

【まさか垣間見られるとは…もしかしたらこっちの世界と繋げれるかもな…】

変な夢を見た気がする。

――あとがき――

まさかの終結…そして久しぶりの【】の台詞…2章ももう終わりますよ～。

面白かったり次が気になる方は星やコメントやレビューお願いします。