第55話 守る弱さ

まずは…


モーテ「魂×1ワンソウルファイア


分断。狙うのは孔雀。あいつがいると意識が散る。あと…


孔雀「!?」


羽を広げながら応戦してくるが…こいつはそこまで近距離特化ではない。幻覚と併用したら強いが幻覚に対応すればそこまでだ。


タコ+亀「まずい!!」


モーテ「遅い。黒菊」


残像を残し孔雀の背後を取る。そして首を掴んだ。


モーテ「サンダー


さっきの気絶させるものとは違いしっかり殺す気のサンダー

黒菊で後ろを取ったからそのままゼーレで斬っても良かったのだがこっちの方法に下した。というのも…


モーテ「人形マリオネット


これができる。


タコ+亀「バカな…」


ロメ「うっ」


人形マリオネットを使って幻覚作用を振りまく。


ダル「おい!しっかり!」


だがダルがいると効果が薄れる。

なら…


ロメ「!」


ダルに殺気を向けた瞬間にロメが来る。すごい嗅覚だが…


モーテ「じゃあね」


ロメ「待て!?」


孔雀をロメの前に立ちふさがらせる。


ソノ「音撃サウンドショック


モーテ「シールド


ソノの妨害もあるがあしらう。音の衝撃波は防ぎ辛いがシールドで何とかだな。


「ダル中将を守れ!!」


他のインジオ国の兵も立ちはだかるが…


ダル「止めろお前ら!防御上昇ディフェンスバフ


モーテ「無駄だね、黒蘭」


このレベルじゃあ相手にならない。黒蘭があるから1対多数の斬り合いも自信がある。


ダル「くそ…!下がれ!」


ロメ「邪魔!!」


!?ロメが孔雀を小間切れにしてきやがった。視界に入るだけで幻覚をかけるからとはいえ…中々だな。

ダルも小刀を取り出す。


ダル「あまり得意じゃないが…」


並の兵よりは全然強いのだろう。だが…


モーテ「そうだね、劣るね」


ロメに比べると格落ちする。サポート特化だからな。


ダル「くっ!」


浅いが斬撃が入る。


ロメ「ダル!」


ソノ「音撃サウンドショック!」


突っかかってきたロメと軽く打ち合い…いなす。


ロメ「あっ…」


ソノ「!?響殺インヴァースフェイズ


ソノが援護で放った音撃サウンドショックをロメに当てるつもりだったのだが…ソノが上手く対処した。


モーテ「しゃあない、衝撃ショック!」


ロメ「シールド


ロメを少し吹っ飛ばし…


モーテ「黒菊」


ダルの方へ。そしてそのまま後ろを取って…


ダル「くっ!」


心臓を突き刺した。


ロメ「ダル!!!!!!!!!!!!」


モーテ「人形マリオネット


ダルの死体を操り、斬りかかってきたロメの前に置く。夫婦と聞いたときから…お互いが最大の弱点になるんじゃないかとは思っていた。


ロメ「ダル!心臓…」


ロメ(これは…間に合わな…)


思った通りだな。

ソノ「バカ!!」


ロメ「え?」


ロメが戸惑った隙に俺はダルの死体ごとロメを貫いていた。死体の影からの攻撃は避けられないだろう。


ロメ「くっ…ああああ!」


まだ動くのか?致命傷だろ?それでも斬りかかってきた。


モーテ「人間か?黒百合」


流石に動きのキレは悪くなっている。それに…


モーテ「愛は盲目だねえ」


ロメ「!?ダル?!」


ダルの死体を操ってロメに奇襲させた。人形マリオネットは見てたのに警戒心の外に置いてしまうのは夫たるゆえか…

そのままロメはダルを抱えながら崩れていった。


――家族や親友や国民全員を守るために戦う必要がある。


プーゴの言葉は今でも残っている。


モーテ「守りたいもののために弱くなってたらわけないな」


俺は改めてこの言葉を切り捨てた。


ソノ「…悪魔かあいつは」


「ロメ大将が…」


タコ+亀「…」


タコの足が伸びてきて…

インジオ国の兵士を吹き飛ばした。


モーテ「!?」


ソノ「なっ…同盟を破る気ですか!?」


タコ+亀「うちは最初からそんな同盟に参加していない」


ソノ「は!?」


なるほど…


モーテ「確かに口にはしてないな。行動を見てそっちが勝手に思い込んだ」


ソノ「!?」


モーテ「これは面白いな」


インジオ国の残りの兵とほぼ無傷のデューエの兵、それなりの打撃を食らっているが一応それなりの数いるノナイウの兵。全部を狩るのはきついとは思っていた。

負けるという意味ではなく逃げられるという意味で。

でも…これなら…


モーテ「黒菊」


ソノ「こっちか!」


俺はソノを狙った。ロメとダルという主力を失ったインジオ国の兵士をあっちに任せればそれなりに楽になる。


ソノ「音破サウンドクラッシュ


シンバルの魔法は破壊力があるから…


モーテ「飛行フライ


急上昇で躱す。


ソノ「速い…眠り歌ララバイ

モーテ「斬撃スラッシュ


演奏の隙は与えない。音の魔法は厄介だ…


ソノ「音撃サウンドショック


足踏みの音で魔法を!?


モーテ「シールド


またシンバル!


ソノ「音破サウンドクラッシュ


クソ…付与エンチャントがあるからましとは言え…

内部破壊は防ぎにくさもある。しかもそのうちに距離を取って反撃されづらくもしている。ロメほどのスピードも鋭さもないがやりづらい。

特に音魔法の経験があまりない。こういう時に実践は大事だと痛感する。

もたもたする気はない。でも…


モーテ「出来るだけ引き出したい。だから…」


狙うべきは本人じゃなくその後ろの兵士。


モーテ「魂×4フォーソウルウィング魂×4フォーソウルファイア


ソノを無視してデューエの兵を狙う。


ソノ「!?響殺インヴァースフェイズ


ソノが相殺しようとするが魂を使った分威力が高い。相殺しきれない。


ソノ「クソ…」


デューエの兵を一気に削ると同時に…


モーテ「ウォーター


ソノ「!?」


ソノを水圧で押し返す。


モーテ「身体強化ボディバフ


ソノ「みんな下がって!音撃サウンドショック


モーテ「ウィンド


ソノ「!?」


音なら風で押し返すことも可能か…


「ソノ大将、時間を稼ぎます」


おっ?


ソノ「ダメ!前に出るな!」


「ソノ大将の時間を稼げ!!!」


「「「「「「「おおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」」」」」


これは?全兵がソノを守るように…


ソノ「やめろ!やめろ!」


「大将!早く…!」


モーテ「なんのつもりかな?黒蘭」


ソノ「くっ…!」


ソノがオカリナを取り出す。


ソノ「誘死曲レクイエム


――あとがき――

愛を利用するな。


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