第54話 あの時より…

モーテ「黒菊」


ソノ「!」


ソノに斬りかかるが受け止められた。

硬い…フルート?何で作られてるんだあれ?


ソノ「音撃サウンドショック


広範囲!周りを巻き込むが…自国の兵がいないからか!


ロメ「あいつ…」


タコ+亀「おい起きろ」


流石に各々で対処は出来てるか。


ダル「ロメ!あいつがカステをって…」


ロメ「思わぬ大物が出てきたね…援軍要請は?」


ダル「もうしてる」


ロメ「わかった…実質4つ巴だね…」


ダル(ロメがあの子1人を1勢力として見るのか…いや…俺から見ても…あれは異質だ)


タコ+亀「タコ墨!」


モーテ「墨?黒百合」


ゼーレを扇子の形に変えてそのまま弾き返す。


タコ+亀「返された」


タコ足の吸盤部分が甲羅に変化して打ち返した墨を受け止めた。わけわからない変化を遂げているな。


ソノ「眠り歌ララバイ


モーテ「付与エンチャント


ソノ(付与エンチャントで魔力を纏って…幻覚系の対策もばっちりか…)


孔雀が羽を広げる。起きたのか。


モーテ「魂×1ワンソウル感覚強化センスバフ


そして目をつぶる。孔雀の羽は魔力で防げない。見ただけでアウトだ。

だからこそ視覚情報以外を使う。


モーテ「黒蘭」


周囲の兵をまとめて蹴散らす。邪魔。

範囲攻撃で削るか…


モーテ「魂×4フォーソウルサンダー


自分以外は全員敵なので無差別に叩き込む。


ソノ「っ!?」


ロメ「何って規模」


孔雀「化け物…」


ソノ「…ロメ大将、そしてそこの合成獣キメラ。共闘する気はありますか?」


ロメ「あれを倒すためにってこと?」


ソノ「はい」


ロメ(確かに他の国を気にしながらあの子の相手は…全滅もありうる…組むか…)


ダル「良いと思うぞそれで」


ロメ「!はは、ありがと。インジオ国は同意するよ。あの子を倒すまでの休戦と同盟だね」


ソノ「ありがとうございます。そっちは?」


孔雀「するわけないだろ」


ソノ「…」


ダル(まあノナイウはそういう国だよな…でもそれは…)


ソノ、モーテ「「それならそっちは浮いた兵士たちってことでいいの?」」


ダル(範囲攻撃持ちの化け物相手には悪手だろ)


モーテ「魂×3スリーソウル斬撃スラッシュ!」


ソノ「音破サウンドクラッシュ


シンバル?すさまじい音と共にノナイウ国の兵が倒れていく。

内部破壊か。

ノナイウ国の兵が一気に削られた。


タコ+亀「…やってくれる」


ダル(まあそうなるよな…)


孔雀「フン」


孔雀が羽を広げ…踊り出す。

するとそれだけで多くの兵が膝から崩れ出した。


ロメ「!?」


ダル「やば…起きろ!!」


ダルが声に魔力を込めて兵士を起こしていくが…


モーテ「黒蘭」


流石に隙だらけ過ぎる。


ロメ「待ておい」


だが大暴れとはいかず…ロメが止めに来た。


ロメ「油断も隙もあったもんじゃないな」


モーテ「戦場で油断する方が悪い」


ロメ「この…」


ロメが剣を振りぬき押し返された。

さっきからこの人、剣速が早いんだ。1撃1撃が重くはないが鋭い。それに加え…


ダル「速度上昇スピードバフ


適宜バフが入る。タイミングも完璧。夫婦のコンビネーションというやつか…


ソノ「悲叫スクリーム


超高音が耳に入る。異常な不快感に加え…

微妙に破壊能力もある。耳から血が出た。


モーテ「不快!斬撃スラッシュ


ソノ「ほっ!」


しかし斬撃は何かで防がれた。あれは…?


ソノ「鳴震ビブラート


ソノがバイオリンを弾き出した途端戦場が震える。さっきのはバイオリンの弓か。あれもすごい強度してるな。


モーテ「流石に…」


ソノの方に向かおうとするが…


ロメ「行かせない」


ロメが立ちはだかる。

だが1人くらいなら…


モーテ「黒菊」


タコ+亀「ふん!!」


モーテ「!?」


タコの足が割り込んできた。パワーがあるな…これ筋肉なのか。


ソノ「気が変わったの?」


タコ+亀「…」


ソノ「素直になればいいのに」


孔雀も蹴りかかってきた。脚力強いな…合成獣キメラコンビはやはりこういうところも強化されてるのか。

タコと孔雀の足が俺を攻め立てる。ロメに一息つかせる間を与えてしまったか…


モーテ「黒百合」


流石に普通にいなすのはきつくなってきた。黒百合で押し返すものの…


モーテ「ちっ」


ロメが斬りかかってきてまたすぐ下がる。こっちが踏み込むタイミングを与えてくれない。すぐさまタコ足が迫ってきた。


モーテ「黒百合」

ソノ「鳴震ビブラート


足場が崩れた!踏ん張れない…


ダル「いった!」


モーテ「付与エンチャント


剣に付与エンチャントを使って無理やり弾き返した。

これはグリレット、プーゴから学んだことだ。


モーテ「付与エンチャントは保護の魔法だけど…上手く使えば多少弾き飛ばしたり破壊力が出る。まあ力押しなことに変わりはないけど受け止めた側でノーモーションで弾くからびっくりするよね」


シュラの森でグリレットに斬りかかったときこっちだけ吹き飛んだのも付与エンチャントによるものだったのだろう。


ソノ「これだけ国の最大戦力が集結してるのに仕留められないのは問題あるな」


最大戦力か…


モーテ「俺が弱かったのを入れても…帝国の3帝の方が強かったけどな」


ソノ、ロメ「「!!?」」


ロメ「あの噂…本当に君が?」


ソノ「信じられない…」


3帝の方が圧があった。圧倒的に殺すという意思があった。破壊力があった。技術があった。対応力があった。誰にも負けないだろう物を持っていた。皇帝と同じ権限を武力で手にした3人。3帝…ふさわしい名前だった。


モーテ「負ける気がしない」


――あとがき――

負ける気がしない。お前それは正義の主人公が覚醒したときに言う言葉だ!


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