コーヒーとラジオと街の霞と音楽と新しい事。

コーヒーとラジオと街の霞と音楽と新しい事。

コーヒーとラジオと街の霞と音楽と新しい事。

　朝は眠気覚ましにコーヒーを淹れて飲む。温かい飲み物は身体に良いらしいから、好きなコーヒーを飲む事にした。それだけでは味気ないので、ラジオを聴きながら窓を開けて、縁に腰掛け、外を覗く。見える景色の半分は道路を挟んだお向かいさんの古いワンルームマンションで、その上からビル群の霞む頭が少し見えるだけ。これじゃあ、情緒あるメロデーラインにも、心象豊かな歌詞にもなりはしない。これは楽器が出来たならの話。今日は仕事帰りに本屋さんに寄って、新しい小説と来年のカレンダー、それと………楽器屋さんにも行ってみて、何か始めてみようか。

　大きく欠伸。

「コーヒー豆が無いから楽器はまた別の日に」

　こうやって、新しい事を始めるのを先延ばしにし続けている。

おわり。