私に必要だったもの、それはあなたがくれた愛

体験談のような作品。
心情がよく描けている。
悲しくて辛い話なので、祝福を受けたような読後感がある。
寝起きの光景が素直に描けている。

顔をなでたところは現実味を感じる。
一番現実感があり、描きたかったところかもしれない。
姉の頬を触るシーンと、窓を開けて雨に手を伸ばすシーン。
二つは対になっている。
「触れたい」気持ちは「会いたい」から来ている。
「会いたい」想いは、寂しい証拠。
寂しいや会いたい気持ちを言葉にせず表現しているところに、本作の良さがある。

読後、タイトルを見て、なるほどと腑に落ちる。