小さな人類は荒野を駆ける。補助輪を外して。

SF(スゴク・フザケテル)なんてタグがついてますが、しっかりしたSFだと思いました。ハーフリングの口調が幼い、思考回路が緩いってのにもキチンとした理由があるし。キャッチフレーズでもネタにしてる地球幼年期の終わりで例えると、元ネタは理不尽に起きた流れに逆らえないのに対して、こちらは人類自ら選んで起こした防衛の結果って感じですかね。

緩くてかわいくて良い子達のハーフリング達は和みますが、一方的に彼らに押し付けられる全人類の情報の断片、そして滅んだ後の世界は過ぎ去ってしまった歴史を感じさせるもので、補助輪を外すという描写も含めて考えさせられるものがありました。始まったばかりというキャッチフレーズですが、この描写と自分の名に想いを馳せた彼女を思うと、この世界の幼年期の終わりも近いのかもしれません。