第3話 遊園地と検査

 今日は朝早くから遊園地に行った。息子はコーヒーカップやメリーゴーランドに乗りたいと前からはしゃいでいた。


 私も楓樹の楽しそうな写真、たくさん撮っちゃうぞー! おー!


 この遊園地では手荷物検査があるみたいで、私たちは今、それを受けるために並んでいる。荷物検査は、この遊園地の中の世界を守るため、大切なことだ。


「ねー、まずコーヒーカップ乗ろうね!」


「うん! 乗ろう、乗ろう!」


「たくさん回して、お母さんのお目々さん回ったー! にしちゃうからね」


 私も小さい時そんなこと考えてたなーと懐かしく思う。


「はい、荷物をここに置いてね」


 私たちの順番が来たみたいだ。楓樹が前に並んでいたので、スタッフさんが楓樹の前に荷物を乗せる用のかごを出した。


「じゃあ、お母さん乗って」


「えっ?」


 はっ? 私がここに乗る? いや、違うだろ! 怖すぎる。


「荷物でしょ」


「いや、お母さんは荷物じゃないかな……」


 スタッフさんがそうフォローする。


「靴は脱ぐ? 服も脱ぐ?」


「それもいいかな……」


 もしそうならここはホラーかい! と思ってしまう。気持ち悪いわ。


 色々あったがなんとか荷物検査を終え、園内に入る。



 色々勘違いする息子だけど、私が楓樹を好きなこと、それだけは勘違いしないでほしいな――。

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勘違い 友川創希 @20060629

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