本作は、坂道の多い街で、帰路を辿る主人公の物語です。子どもの頃って、大人にとっては大したことなくても冷や汗を掻いたり、取り止めのないことをぐるぐる考えたり、見えないものが見えたりしますよね。
物語自体は主人公である女の子が、ママの待つ家へ帰るという物語です。
途中、もう本当に色んな物や人が出て来ます。子どもって感受性が豊かだから、見えてしまうのです。
大人になると、そんなもの馬鹿らしいとか。
有り得ないとか。そうして割り切って見なかったふりをするのが上手くなって行きますね。
でも、子どもの頃はそうじゃない筈です。
私は、この作者様が本当に少女の視点で描かれる世界観が好きなのです✨
ノスタルジー漂う本作、皆様も童心に帰って癒されてみませんか?
オススメです★
時々、「これ書いた人はどういう頭しているんだろう?」という作品に出会うことがあります。この作品がまさにそれです。最後まで読んでも一体何の話だったのかよく理解できなかった。だけどなぜか、ところどころ強く印象に残っているんですよね。
極論すると、中学生の女の子が坂道を上って家に帰るだけの話です。それだけの話で軽く10万文字を越える作品を書けますか? いえ、常人には書けません。間違いなく常人ではない作者さんが書いた作品です。
多くの人に作品を薦めるレビューの場なのですが、万人に薦めるべきなのか否か、迷うところです。いえ、面白い作品であることは間違いない。みなさん、グツグツ煮込まれた決して人が口にしてはいけない色をしている魔女のスープを飲んでみましょう。
女の子の一人称で書かれる文体は軽快で、ユーモアに富んでいます。そしていろいろ変な人たちが出てくるけど、まああまり気にしないようにしましょう。世の中気にしてもしょうがないことってあるでしょう?
女の子とお母さんの関係がすごく好きです。生きているといろんなことがあるけど、それでも前向きに頑張っている姿は応援したくなります。