私が隣に居るのに、なんでLINEで送ってくるのよ!
神石水亞宮類
第1話 私が隣に居るのに、なんでLINEで送ってくるのよ!
私の彼氏とは、ほとんど私と一緒に居ても会話がない。
ただ会話がなくても楽というか? 私は自然体でいれる。
相手に気も遣わず、ありのままの私で居れるのだ。
でも? 無口な彼と一緒に居るといつも思う事がある!
テレビを彼氏と一緒に見ている時、隣で【ピコピコ】携帯を彼氏が触っている。
私も彼も、モノマネが好きだからよく二人でソファーに座って見る事があった。
それなのに、彼は携帯をいつも持っていて携帯をいじっている姿が多い。
そんな彼氏を私が注意しても彼は携帯をいじる事をやめなかった。
そればかりか、隣で私あてにLINEが入ってくる。
彼の隣で同じテレビを見ている私に、なんの用事で入ってくるのか?
内容は、“今の人、モノマネ上手いね!”“俺、この人好きだわー”
だから! 私は思わず彼に直接言ってしまう。
『隣に居るんだから、直接私に言ってよ!』
・・・彼は私の言った言葉を冷静に受け止めてまた携帯を【ピコピコ】
【いいじゃん! この方が言いやすいし!】
こんな時は、流石の私も“彼を面倒くさい人だと思ってしまう。”
それ以外は、本当に優しい彼なんだけどね。
無口で口下手な彼だけど? “二人の記念日や私の誕生日を忘れず祝ってくれる”
私は直ぐに彼の誕生日も忘れてしまうというのに、、、。
彼はしっかり私の事を憶えてくれている。
私の友達も彼が勝手に呼んでくれて、皆で祝ってくれる時もあった。
人と話すのが苦手な彼なのに、そこは頑張ってくれていると?
なんだか彼が愛おしく想えた。
私は本当に素敵な彼氏を手に入れたのだろうと思う。
・・・ただ、私に対して彼が初めてヤキモチを妬いた時は私も彼に
ビックリして声も出なかった。
私と仲がいい男友達が、私と仲良く話している姿を彼が見てしまう。
私はそれぐらいの事で、彼氏がヤキモチを妬くとは想っていなかった。
“ただの男友達だし、好きとかそういう問題じゃない!”
いくら私と仲が良くても【男友達】には変わりない。
彼もいつも冷めている感じの人だからヤキモチなんか妬く訳がないと
高をくくっていた。
彼が私を見て、直ぐに私の携帯に彼からLINEが入る。
『横に居る男は誰だよ?』
『えぇ!? “男友達だよ!”』
『じゃあ、証明して!』
『はぁ!? 何言ってんの?』
『俺の方を見て、そいつに目の前に居る奴が“彼氏”だからと言って!』
『そ、それって? 意味あんの?』
『あるよ! “俺が彼氏じゃんか!”』
『・・・わ、分かったわよ!』
私は早速、彼氏が言った通りに男友達に彼がLINEで送ってきた言葉を
そのまんま伝えると?
私の男友達は、彼に申し訳なさそうに小さく頭を下げた。
彼は自分が、“私の本命の彼氏と見せつけて上から目線で少しにやけた顔
で頭を下げた。”
私はそんな彼のやり方に、ビックリしたのと? 彼も私にヤキモチを妬く
んだと声も出なかった。
嬉しいような、面倒くさい男を彼氏にしたなという後悔もあり。
なんだか複雑な思いになった。
それでもやっぱり私は彼が好きなんだと気づいたのもあった!
無口で冷静な彼がヤキモチを妬くなんて! 凄く可愛いと思ったのだ。
【これからもよろしくね!】
私は彼を見ながらそう思った。
私が隣に居るのに、なんでLINEで送ってくるのよ! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
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