第5話 魔竜 ギルザリオス
魔神ザックの光速の二刀流の連撃で、魔竜ギルザリオスの翼や足は
切り刻まれた。
ギルザリオスが息を大きく吸い込み、暗黒の黒い炎を
吐こうとした瞬間に、男は跳躍し、その黒い炎がため込まれた時に、
彼の光速の剣の鍛え抜かれた刃は、ギルザリオスの両目に斬りつけた。
男は暴れる竜を目の前に、二本の剣を一本の剣として、その強靭な刃に
己の魔力を、剣に指を当てて力を与えた。
彼はグッと両足に力を込めると、足跡だけを残して彼は消えた。
魔竜ギルザリオスの背後に、男は立っていた。
そしてギルザリオスが、首を振り返した瞬間、首から上が地面に叩きつけられるように落ちた。
傷ひとつ負わず、一人で懸賞金5000万の敵を倒した。一度倒した懸賞金つき敵は倒した人は二度目は貰えない。
その上、クエスト上、倒さなければならない敵の場合、タイムリミットを過ぎれば、新たに復活する。
彼の目的は魔神の座に就く事だった。大勢の部下から日々、上納金としてゲーム内通貨が収入として入り、軍勢の規模を大きくするほど、上納金も増えた。
軍勢を指揮して、人間に襲撃をかけることも可能になり、部下に指揮させて攻める事も可能にさせた。
彼はその魔神の座に就く為、魔竜を倒した。
仮に懸賞金の為、審査期間に入れば、このまま攻め込む事は可能ではあるが、
負けて死亡した場合は、懸賞金を受け取る事は出来なかった。
そして次に再び攻める時には、防衛NPCが大勢増える事は明白だった。
魔神にも当然、懸賞金はついていたが、魔竜とは比べ物にならない程強かった。
しかし、その強さを肌で実感した人物がいないため、居城の情報屋でも不明となっていた。強さの情報だけでも持ち替えれば、とも考えた。それだけでもリアルマネートレードで現実の世界の5千万と、魔竜討伐の情報はゲーム内通貨ではあるが計り知れないほど高額が入ることは約束されていた。
ここで戻れば……。再び来ることは出来なくはない。魔界で魔竜を討伐した事で、強い魔物も逃げ出す。
ここは魔界だ。長い間はいられない。凄腕のハンターを何人も雇えるだけの報酬は入るはずだ。その時まで更に強くなればいい。
男は魔神の門の前から去って行った。
Life and Soul 春秋 頼 @rokuro5611
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