第46話 変わったこと




 聖女が王都へ帰還した翌日、何の変哲も無い日常が戻ると考えてユーディットの部屋で朝食をとろうと訪れたテオフィルを驚かせたのはユーディットの部屋の片隅にある贈り物の山だった。

 朝食が運ばれるのを待って椅子に座っているユーディットは鬱陶しそうに部屋の片隅にある贈り物を睨み付け、咨嘆した。その様子を横目で確認していたフォルトゥナートは困ったように微苦笑するのでテオフィルとしては何事かと不安になる。これまで歓迎しない贈り物は数多あったが、それは送り主の名を伏せられていた。今回の贈り物はテオフィルの目からでも分かる程、送り主が誰だかを強く主張している。

「おはよう、テオフィル」

「あっ、ああ――」

 ユーディットの言葉に間に合わせの返事をしながらテオフィルの視線は部屋の片隅に向けられる。椅子に座って真正面のユーディットを見遣ればナプキンを膝に引いている。

 ユーディットが宮殿内で食事を摂取する場合、給仕によって部屋に持ってきてもらうか使用人の為の雑多な食堂を利用するかの二択のどちからであった。準備して運んでもらうことも多いが、政治的立場があやふやな聖女と付属品の二人の扱いは鴻毛のようなものだった。食事の予定の時間にきっちり食事が揃うことはない。優先順位の低い三人は後回しにされ、焦れた結果、出入りが比較的自由な使用人用の厨房に足を運ぶことが多かった。

「……あれ、何?」

 テオフィルの尋ねにユーディットの視線が部屋の片隅に向けられる。

「贈り物だそうよ。お近づきの印にって。手紙を書くから後で返しに行ってくれるかしらフォルトゥナート」

「俺がか?」

 疑義の滲んだ声にユーディットの鋭い視線がフォルトゥナートに注がれる。

「なんの為のその顔よ。押し通りなさいな」

「折角だから貰っても良いんじゃないか?」

 テオフィルの脳天気な言葉にユーディットは眥を上げて、

「どんな下心があるのか分からないじゃない。贈り物を貰うなんて聖女の公平性が担保されないわ。美しくないわ」

「そんなもんかな」

「そういうものよ」

 暫くして、給仕が運んできた朝食を三人分テーブルに並べていると、ノックと共に来訪者が部屋に足を踏み入れた。軍服姿をかっちりと着こなしている三人は、ユーディットの警備を担っているクヴェンとノルドとエルラフリートで手には包装された箱と手紙を持っている。

 朝食の最中の来訪に眉根を寄せたユーディットは三人の腕に抱えられているものに視線を移して、更に眉間の皺を深くする。

「何の用? 見ての通り取り込み中なんだけど」

 追い払おうとするユーディットの様子にテオフィルは申し訳なさが込み上げる。一方、三人はユーディットの言葉に気分を害した様子はない。

「荷物を運びに来ただけだ」

 部屋の片隅の贈り物の山に視線を向けたクヴェンはユーディットに、視線で訴える。

「何か買った覚えはないわ」

「はっ、そんなことはこっちだって把握している。貴族連中からのご機嫌伺いの品物だ。聖女の歓心を買いたい、その下心に塗れたもんだ」

「そんな空恐ろしいもの要らないわよ。なんで断らなかったのかしら? 私が、喜ぶとでも思ってるの? それとも厄介事を押しつけて私を困らせようっていう魂胆かしら」

「立場が上の人間に楯突けとは無茶なことを言う」

 言外に、誰かの不興を買ってでも庇うつもりは無い、とクヴェンは告げる。それを正しく汲み取ったのかユーディットはクヴェンを睨み付ける。

「火種になりそうなものを持ち込んで。当然、処理してくれるんでしょうね?」

「処理?」

「そうよ。返却してきて。一筆は添えるわ」

「この数をか?」

「そうよ。手分けすれば簡単でしょう? ついでに貢ぎ物は聖女に不要だと周知してくれないかしら」

 ユーディットの言葉に、無茶なことを言う、と容に滲ませたクヴェンは、息を一つ吐く。

 食事の用意をした給仕が下がり、部屋に六人だけになったことを確認してクヴェンは臍を固めたのか口を開く。

「聖哲局としての方針が定まっていない。国によって飼われている聖女に金品を提供することによって二重支配のような状況を防ぎたいんだろうな。ただ、白地に聖女を国が囲うのを快く思っていない貴族連中も居る。恩恵は、公平にあるべきで機会は均等にあるべきだと主張している。これまでは暗黙の了解で聖女に何かを貢ぐことは回避できていたが、今回、奇蹟を起こしたことによって傍観しているわけにもいかなくなったわけだろう。聖女に何か特異なものがあるとすれば、一枚噛んでおきたいと思うだろう」

「聖哲局がそう考えているのならば、尚更、今、受け取るのは悪手でしょう? 手紙はともかく」

「一応、聖女の意向を聞きに来た」

「意地の悪いことね。私を試したの? 私の意思など簡単に踏みにじれるのに、懐柔する為かしら?」

「意識喪失して呆けた頭が聖女の行作を逸脱しないか確認しただけだ」

「そう」

「貴族連中どころか、王族からも手紙が届いている。路傍の石扱いだったのが、気分が良いか?」

「私は珍獣か何かかしら」

「一挙手一投足が今迄以上に注目されることを自覚しろ。品位を保て」

「そんなへましないわ。聖女だもの」

 ユーディットとクヴェンの言葉の応酬を傍から見ていたテオフィルはその勢いに気圧されてしまう。少し前では考えられなかった程に配慮や体裁をかなぐり捨てた剥き出しの本心を投げつけている。気安いのだろうが、時として相手の急所を刺すような剣呑な雰囲気にテオフィルは不安を抱きフォルトゥナートに視線を投げてしまう。様子を見ようと、いうフォルトゥナートの眼居を受け取ったテオフィルは小さく頷いて再び二人へと視線を向ける。クヴェンの瞳に躊躇いのようなものを感じ取ったテオフィルは何かあったのだろうかと胸をざわつかせる。

「……裁判についてだ」

 ユーディットの容に驚きの稲妻が走り、手紙の差出人を確認していた手が止まる。

「あら、結審したわけではないのに何を話すことがあるの?」

 これから起きることを何故に知っているのか、と意地の悪い笑みを浮かべたユーディットにクヴェンは溜息を漏らして、

「物を知らぬガキのようなことを言うな。筋書きが出来たという話だ。聖哲局は首謀者の首を所望だ。それで片を付ける。あの白銀の男は利用価値があるから命は取られないだろうよ。聖女の奇蹟の証拠だ」

 クヴェンの顔を真摯に見詰めていたユーディットの口がもぞっと動くが、言葉は宙に解け、唇は固く結ばれる。

「生きていれば良いだろう」

「……そうね」

 視線を外して目を伏せたユーディットの平坦な声が部屋に響いた。

 ユーディットの様子にテオフィルは咄嗟に椅子から立ち上がり、

「それって、終身刑ってこと?」

 途端、向けられたクヴェンの視線にテオフィルは僅かに仰け反ると静かに腰を下ろす。

「さぁ、どうだろうな。ハーネイあたりが利用することを算段しているが、碌でもないことだろう。だが、あの男も本望だろう。聖女の為に命を使えるのならば」

 クヴェンの言葉にテオフィルはユーディットの反応が気になり窃視してしまう。同じことを思っていたのかテオフィルはノルドと見交わすことになるが、俯いたユーディットの表情は窺い知ることは出来ない。

 痛まないわけがない、とテオフィルは思う。ユーディットがマティアスになんらかの特別な情を抱いているのは明白で、囚われの身となったことを哀しまない筈がない。なにか言わなければと心は急くのに労りの言葉を紡ぐ事が出来ずテオフィルはユーディットを熟視する。

「――生きていれば、浮かぶ瀬もあるでしょうね」

 自分を納得させるようなユーディットの言葉にテオフィルは思わず声を上げてしまう。

「ユーディットっ」

 鋭いテオフィルの声にユーディットはビクリと肩を震わせる。

「どうしたの? 大声で」

「本当に良いのかっ? だって、ユーディット、マティアスのこと好きだったんだろうっ!!」

 言ってしまった、とテオフィルは後悔が脳裏に過ぎるが吐き出した言葉を取り戻す術はない。ユーディットから詳しい説明がなかった関係性はテオフィルのなかでは明確な輪郭をもっており、儘よ、とテオフィルは言葉を重ねた。

「特別に思ってたんだろ? 初恋だったんだろう?」

 フォルトゥナートと想いが通じたテオフィルにとって想いが報われないことの苦しさは想像の域を出ないが、下焦がれた煩悶と懊悩の日々はテオフィルにも理解が出来た。ユーディットがそんな痛苦に苛まれているのならば、手助けがしたいというテオフィルの善心は加速する。

 テオフィルの言葉に目を丸くしたユーディットは目を瞬かせる。その驚きが演技のようにも見えるが、自然のそれにも見えた。

「違うわ。ただの幼馴染みよ。色恋のそれはないわ」

 それは初めての明言だったがテオフィルには額面通り受け取れなかった。

「そんな筈ないだろっ」

「本当よ。だって――」


「私、誰かを好きになったことないもの」


 恬然としたその台詞に一座の視線が一斉にユーディットに向けられた。

 テオフィルは明瞭に愕然とし、それに疑問を差し挟む余地は一毫も無かった。驚愕に彩られた容はやがて憂色と諦観のようなものを滲ませた。雄弁な双眸はユーディットへの軫憂を物語っており、疑義を胚胎していた。

 ユーディットの告白に微かに目を瞠ったフォルトゥナートの視線は、やおら、密やかにテオフィルへと向けられて僅かな愁色を顔貌にのせて再びユーディットに向けられた。既に、平静を装っているのは己の役割を十分承知している為だ。

 少し離れた場所に居たクヴェンは告白に瞠若すると、即座に双眸に浮かんだ驚駭を揉み消した。一瞬、見え隠れした憐情を振り払ったクヴェンは事実を受け入れ気持ちを建て直したのか数拍後には平然としていた。ユーディットを見詰めるのは、ただ、次の言葉を待っているだけで他の感情を窺い知ることは出来なかった。

 ノルドの反応は顕著であった。浮かべていた笑みは剥落し、肺腑を衝かれたかのように呆然とし、ありえないものを見詰める目でユーディットを熟視する。その双眸には只管に憫惻と哀情が滲んでいる。見詰めることで人を殺めることが出来たのならば、ユーディットは千度命果てただろう。熱を込めた鋭い視線は何か縋るようにも似ていて、強い祈りのようなものを孕んでいた。

 ユーディットの言葉を聞き逃すまいと傾聴していたエルラフリートは、虚を衝かれたかのように口が半開きになり、はく、と口が動いた。言葉を理解しようと反芻しているのか数度頭が揺れる。ただ、理解が及んだのか折り合いを付けたのか顔は青ざめていたが、双眼は酷く透徹だった。そこには一切の惻隠もなければ欺瞞もなかった。

「嘘っ!! 嘘だぁ」

 言葉を返したのはテオフィルだった。事実を認めないとでも言いたげな幼子のような声だった。テオフィルの抗議の声を頑是無い子供を見詰める母親のような眼差しでユーディットは見詰めて、

「あら、本当よ。嘘じゃないわ」

 ユーディットは気安く笑顔で答える。コロコロと鈴の鳴るような声はテオフィルの心を激しく掻き乱した。

「色恋は私の範疇外よ。どうしたの? テオフィル、そんなに驚いて」

 テオフィルの動揺が予想外だったのかユーディットは困惑した表情を浮かべる。

「だって、ユーディット、一人で会いたいってあの時言ってて、それってやっぱり二人きりで話したかったってことだろう? 特別な何かがあるって思うのが普通だろ」

「誰かを連れて歩くなんて一人で何もできない子供のようじゃない。個人として向き合いたかったからよ。特に、昔、私を虐めてた男に対してよ? 他人の力をひけらかして威圧するなんて格好悪いじゃない。私は、見返したかったのよ。自立した大人になったって」

 整然としたユーディットの説明にテオフィルは虚脱して肩を落とした。

「なんだよ、それっ。俺、勝手に勘違いして、空回って、馬鹿みたいじゃないか」

「他人のことをそうやって心配出来るのはテオフィルの長所よ。なくして欲しくないわ」

 慰めるようにユーディットは告げるがテオフィルは四肢から力が抜け項垂れたままである。気を遣ったフォルトゥナートがテオフィルの肩をさするが、テオフィルは深く溜息を漏らすだけだ。

「気に掛けてくれてありがとう。私は大丈夫よ。マティアスのことは放免しろなんて言えないわ。罪は罪だもの。それに、生きているのならば、また会うことも出来るもの」

 穏やかに笑うユーディットがどこか遠くの手の届かない存在に思えてしまいテオフィルは頭を振って、その考えを蹴散らした。

「だからって――」

 心の裡を無作法に探るような言葉を紡ぎそうでテオフィルは言葉を飲み込んだ。推し量ることしか出来ないが、ユーディットが表面上見せる穏やかさをそのまま心底に燻らせているとはテオフィルには受け取れなかった。テオフィルの勝手な印象だがユーディットは傷を負った筈だった。自分と再会しなければ罪人の身に落ちぶれることの無かった幼馴染みに軫憂を抱いている、とテオフィルはユーディットに哀憫する。

 チラリとテオフィルの視線がユーディットに向けば、ユーディットは笑みを深くする。

「テオフィル、大丈夫よ。私は打たれ強いししつこいの。そう簡単に諦めたりしないわ」

 力強いユーディットの言葉にテオフィルは納得するが、それでも心にある不安を拭えないのは自分が一助になれなかった悔いによるものだ。

「恋をしたことすらないとは、通りで乳臭いガキなわけだ」

 クヴェンの白地な言葉にハラハラしてテオフィルはユーディットの顔を見るが、恬然としていた。挑発に乗ることなくユーディットは涼やかな声で、

「あら、恋をしたことがなくても尊いと言うことは分かっているわ。誰かを無償で思えるなんて素敵なことよ」

 ユーディットの言葉に思うところがあるのかクヴェンの口がはく、と動くが音は零れ出ず双眸に陰りが帯びた。

「何か言いたそうね」

「言ったところで無駄だろう。徒労と知って話すことの虚しさは一入だろう」

 突き放すようなクヴェンの口吻にユーディットは抗言しようと口を開いたが、分が悪いことを察しているのか口を閉じる。

「愛だとか恋だとかそういった類のことを聞きたいのならば司教にでも聞けば良い。瑕疵の無い完全な愛を説諭するだろうさ」

 ユーディットとクヴェンの遣り取りに耳を傾けていたテオフィルは、似た話を数日前にしたことを思い出す。


『私は興味ないと言っただけよ。フォルトゥナートだけじゃないわ、誰だってそうなのよ。だから安心なさいな』


『私には理解が及ばない感情だけど――』


 不意にユーディットの何時かの言葉を思い起こしてテオフィルはハッとする。あの時、テオフィルは同性に思いを寄せる感情が分からないとユーディットの言葉を曲解したが実際は言葉通りの意味であったことに気付く。一般から逸脱したことに対して解釈を誤り、早合点したのはテオフィルの落ち度だ。肉欲を伴う恋情をユーディットは識らないと素直に告げただけだ。

「あっ!! 確かに言ってた!! 言ってたけどさ、それは違うだろ。そう思わないって普通」

 思い出したことを脊髄反射のように告げたテオフィルに一斉に視線が向けられる。唐突な言葉に驚いた視線を受け止めてテオフィルはユーディットに視線を向ける。きょとんと見返すユーディットの双眸には何か含みのようなものはない。寧ろ、テオフィルの奇行を憂慮している節すらある。

「何言ってるの、テオフィル。大丈夫?」

「大丈夫。こっちの話し」

 頭を振ったテオフィルを深追いせずユーディットは、そう、と、小さく声を漏らした。関わりが無いと退けられたことに軽い驚きがユーディットの容には滲んでいた。

「ユーディットは、本当に、そのっ……マティアスのこと好きじゃないのか?」

「くどいわね、テオフィル」

 再三のテオフィルの尋ねに辟易としてるのかユーディットの容に嫌忌のようなものが滲む。

「だって――」

「世間一般では、恋というのじゃないのかとテオフィルは思っているだけだろう」

 言語出来ないテオフィルの気持ちを汲み取ったのかフォルトゥナートが口を挟めば、不本意なのかユーディットの眉根に皺が寄る。フォルトゥナートの加勢の気配を感じたのかテオフィルはコクコクと頷く。テオフィルの表情を横目で確認したユーディットは探るような眼差しをフォルトゥナートに向けて、

「フォルトゥナートもそう思っているわけ?」

「いや、テオフィルには悪いが、俺は違うと思うがな。ユーディットの仁恕が一般から懸隔していて、愛のように見えるからそう思うだけだろう。相手に焦がれたわけでもなければ、返報を希ったわけでもない。懐かしさを共有していただけで、そこに、男女の情愛は見当たらない」

 フォルトゥナートの澱みのない弁舌にユーディットは笑みを浮かべてテオフィルに顔を向ける。

「ほら」

 弁の立つ二人にそう言われてしまえばテオフィルはそれ以上言い募ることが出来ない。

 ユーディットの恋愛事情に興味があるのはテオフィルだけなのか他の誰もそれ以上ユーディットに対して追及しようとはしない。

 一番にこの話題に食いつきそうなノルドの存在を思い出してテオフィルは窃視するが、その容に好奇はなく渋面をしていた。ユーディットがありふれた少女であることを望んでいる節があるノルドの心中を思えば、仕方が無いことだと、テオフィルは心の中で同情する。

「――国の決定に反旗を翻す気もない、つまり、聖女をやめるつもりはないんだな」

「まるで、やめて欲しいみたいな言い方ね」

 クヴェンの言葉に反応したユーディットの声は呆れとも嫌厭ともつかぬ色を滲ませている。紅唇から溜息を一つ零し、ユーディットの視線がツイッとクヴェンの後ろにいるノルドへ滑る。

「使い物にならないなら、対処しなければならないからな」

「あら、そう。お生憎様。一人でも多く、誰かに寄り添えるのならば、利用出来るものは利用するわ」

「お優しい聖女様で」

 クヴェンの皮肉にユーディットの顔色が変わったのは一瞬で直ぐにそれを揉み消すと、口唇が綺麗な弧を描く。

「そうよ。私、聖女だもの」

「はっ、剛毅なことで」

 得たり顔で応じるユーディットをクヴェンは鼻で笑う。

 数週間前には考えられなかった言葉の応酬にテオフィルは変遷した関係にじわりと感じ入る。変化が正しかったのかそれは今は未だ分からない。ただ、テオフィルはユーディットを識る人間が増えたことが純粋に嬉しくてフォルトゥナートと目笑した。


 斯くして、誘拐事件の幕はひとまず下ろされた。


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影法師の恋 @midori0521

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