第8話 夢の中の少女
「あ、やっときた〜、待ってたよ」
「うん、おまたせ。」
「ううん。大丈夫じゃあ行こうか」
ここはどこだろう。目の前にはお花畑が広がっている。こんな世界があるのだと一生ここにいたいと思わせるような風景が広がっている。
そして目の前には少女がいる。小学校1、2年生ぐらいだろうか。茶髪の髪に垂れ目、桜色のワンピース、色白の可愛くて優しそうな雰囲気。触ると消えてしまいそうな子だった。でも、なんだかどこかで彼女を見たことがあるような気がする。
「なにぼーっとしてるの?笑今日はとっておきのものを見せるって言ったでしょ」
「ああ、うん」
「ふふっ、じゃあ行こう!」
彼女に手を引っ張られ僕は森の中へ足を踏み入れた。草の感触がなんとも不思議でふわふわしている。しばらく歩くと彼女は足を止めた。目の前には海賊が持っていそうな大きな宝箱がある。
「これ、すごくない?紫苑と開けようと思って。」
「う、うわぁ。すごいね、これ」
「これね、この島の言い伝えの箱だと思うの。あれだよ、記憶の箱。」
「記憶の箱...?なんだっけ」
「え、あれだよ。あの箱、言い伝えのさ、だからなんの、、、、、、、、考え、、、、、、ね。」
声が途切れ途切れになってきているなんでだろう。
「あの、名前なんて言うの」
「え、、、、、?私の、、、、、、、は”:(8&^だよ。もうなに、、、、のよ笑」
「一緒に、、、、、まで行、、、よ。ほら、、、、いこ、、、」
どんどん聞こえなくなってゆく。同時に視界も暗くなっていく。なぜか親近感のある君は忘れたくなかった。別に幼女趣味ってわけじゃないけど。
「、、、、ねぇ、、、、きみどこかで、、、あ、、、、がっ」
僕も声が出てこなくなってきていた。
...視界が完全に真っ暗になる直前、木陰に隠れて一人の少女が顔を覗かせていた。髪は黒髪ボサボサで顔はよく見えなかった。年齢はあの子と同じぐらいの。誰だろう
..............
.....
..
★ ★ ★
はっと目が覚めた。飲み終わったサイダーのボトルを片手に眠ってしまっていたようだ。さっきのは夢だったのか。あの少女は誰だったのだろう、いや、夢だと会ったことない人が夢に出てくることはよくあるし、そういう人ほどどこかで会ったことあると思ってしまいがちだ。きっとあの子もそうなのだろう。夢って不思議だよな本当に。
そうして夢から覚めようやく意識がはっきりしてきた。ここであることに気がつく。電車が動いていない。あろうことか人すら誰もいないのだ。
「え、、、、、、?」
呆然と座っていると少し空いた窓から春を感じさせる暖かく柔らかい空気が僕の頬を撫でた。
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こんにちは。犬丸ちるです。
最近忙しくて全然書いていませんでした。すみません🙏
このお話ももうクライマックスへ近づいてまいりました。あと数話で完結させると思います。近況ノートで表紙のイラストを多分描くのでよかったらご覧くださいませ。
”魔犬になっちゃいました?!”と言う作品も連載しておりますのでよかったら覗いてってください👀✨
花が咲き乱れるあの町で 犬丸ちる @koebisou
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