第13話 生きた化石
突然鍋の蓋が開き、体がところどころ穴が空いているセトカンブリアが出てきた。
「生きた化石舐めるなよ」
「え…まだあんの…」
「不死身じゃん」
「まだ滅びぬ、まだ終わらない。寿命は決して尽きないはず!」
突然セトカンブリアはハヤトに飛びかかってきた。
「ハヤト逃げろ!」
「え、あ、うん」
ハヤトは走って逃げた。
「そんなに逆らいたいか?滅びろ滅びろ」
「頭おかしいっt」
ハヤトは転んでしまった。
「終わった…」
ハヤトは恐る恐る振り向くと、セトカンブリアは立ち止まっていた。
「え?」
「……老衰だ」
ミグが言った。
「…これで終わりなのか?」
「ああ、本当に終わりだ」
「皆さん無事ですか!」
蟹自衛軍が入ってきた。
「子供1人発見!」
「カブトガニ1匹発見!」
「他に人はいません!」
「助かった。ミグ、いk」
ハヤトは振り向くと、もうミグはいなかった。
結局大勢の人や蟹たちに苦痛を与えた技術の神の最期は、人や蟹のみならず全生命が通りたいと願った死に方だったようだ。
スパイダーは取り壊され、ハヤトたちは無事保護された。
「母さん」
「ハヤト!」
避難所でハヤトは母と再会した。
「ハルとアキも無事だね。怖かった?」
「うん」
ハヤトは言った。
「俺、カブトガニとウミグモが飼いたい」
ヒト漁 まめでんきゅう–ねこ @mamedenkyu-neko
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