もしも願いが叶うなら、どうかこの物語の登場人物全てに安寧があらんことを

「もしも願いが叶うなら」、それはきっと誰もが抱く感情だろう。
この物語では、そのような普遍的な願いが、物語の重要な『鍵』となる。

大量殺人の罪を背負って――
愛する者を殺されて――
理想の自分になりたい――
そんなことが脳裏に過ぎったのなら、この言葉を呟いてみよう。
きっとそれは叶うはずだ。

だが願いには代償が伴う。
更なる苦痛に晒されることも、恐るべき真実が明かされることも、誰かを失ってしまうことも。全てを願いの代償だと受け入れて、前に進むしかないのだ。

それがきっと、「もしも」という他力に頼らず、「願いを叶える」ということなのだから。
己が願いを叶えるべく奔走する、全ての人物達にどうか幸あらんことを。

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