番外編

第28話 神々の会議(二回目)

何柱かの神が集まっている。

「転生というシステムがこうも便利なものだとは思いもしませんでしたよ。」

「そうじゃの~。」

「そんな事より今後の地球をどうするか話し合いましょう。後一万年もしたら私達のコントロールから外れるわよ?十万年後には私達に並ぶ事もあるかもしれないわ。」

「別に構わねぇよ。それに、へ近づくための人手は多い方がいい。」

「”自分たち以上に上位の存在が居ないことの証明が出来ない”じゃったかの?」

「そうです。これを証明できる存在への渇望が少なからず皆に植え付けられているでしょう?」

完全な存在になったはずであるにもかかわらず、渇望しているのだ。そして、それに振り回されているのだ。

「そうですな。しかしこれでは、神を信仰しながらも自分の人生だと自信を持って生きている人間の方が素晴らしく見えてきますな。」

「多少のコントロールが入るといえど、どの選択にも自由意志で決断を下す。全てのしがらみを取り払う代わりに自由意志も殆ど失った我々にはとても眩しく映るのもだな。」

何一つ不自由な事など無く、時間も無限に有り余っているため何をやっても虚無が溢れるのだ。無欠の存在になるという事を体験した彼らは心のどこかで本当の神が姿を現しはしないことを悟っているのだろう。本当の神に意思がない事と合わせて。

「次回の転生はいつ?」

だからこそ、しがらみという本当の神からの最初で最後の壊してしまったプレゼントを再現し続けて、その渇望を一時的に潤すのだ。しがらみの多い人間を称賛して虚無を恐れることと、しがらみから解放されようと本当の神を探すことの矛盾を黙殺しながら。

「二年後の予定です。自殺してしまった魂を保護したので、感情と視点がフルタイムで我々に流れてくるように調整して転生させるつもりです。」

いずれ彼らは本当の神に否が応でも近づくだろう。渇望という最後のしがらみさえ解き放って。虚無に塗り潰される彼らに救済はあるだろうか?

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ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

神が世界を管理する理由を本編で書いていなかったと思うので書きました。



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悪役豚貴族に転生~ダイエットは嫌なので脂肪をエネルギーに変えて頑張ります~ 感佩 @Kushi1321

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