優しい心と信じる気持ち、そして見守る人々

 レトロモダンな雰囲気の漂う異世界の町が舞台です。突然やってきた幼なじみ、ユイルの息子とナミとの日々を皮切りに、ユイルの状況が少しずつ明かされていき、何故ナミを選ばないのかが分かります。そしてナミの決断と、ユイルの息子の成長を経て、ユイルの最後の秘密が明かされます。そこに至るまでの三人の心の揺れ動きもさることながら、周りで支える人々がそれぞれに暖かく、三人の心の支えになっているのが頼もしく感じられました。特にクレリック叔父さんがお気に入りです。
 あらがえない運命にもくじけず、信じてくれる人々とともに立ち向かうことでナミたちが明るい未来を切り開いていくというラストに感動しました。