-0.5gの毒-
「どうした!!」
杉田が、駆け寄ると江崎君は、吐きながら痙攣を起こしている。田中さんも同じ症状が出ていて明確に宇佐美のクッキーを食べたせいだとわかった。
「浅田!他の先生を呼んできてくれ!江崎!田中!しっかりしろ!救急車呼んでやるからな!」
かなり動揺しているな…。
誰かが呟いた…
"宇佐美のクッキー食ったの2人じゃなかった?"
「え?!あたしも食べちゃったんだけど?!」
田中が、教室を飛び出した。
ざわざわと皆が、ざわめき出す。
冷たい視線が、宇佐美に全て集まり始めた。
「どう言うことだ!説明しろ!宇佐美!」
「え…いや…えっと」
何も言えずたじろぎながら後ろへあとずさりするとガタンッと机が動いた。
「宇佐美さんの作ったクッキー食べたの江崎君と田中さんと近田さんなんです!あたしもクッキー作っ「じゃあ!おめえのじゃねぇのかよ!!」
宇佐美が、怒り狂い胸ぐらを掴んできた。
残念…俺のクッキーを食べたのは、3人じゃない。
ちゃんと見てた。
「成田さんのクッキー食べたのって山岡と中井と…?あと誰だっけ?」
「俺と安元」
"じゃあ宇佐美のクッキーのせいじゃん!絶対!良かったー食べなくて"
"あいつ、いっつもああいうことしてるよな…これで人死んだら人殺しだぜ"
鼻で笑った、宇佐美に聞こえるように。
グッと胸がきつくしまったのが分かった。
「お前…何がおかしいんだよ…」
「宇佐美!やめろ!成田さん関係ない…いや、待てよ?昨日、2人は交換するためにクッキー作るって言ってなかったか?」
誰かが、言った。
「あー!確かに言ってた!」
「……って事はもしかして?お前成田さん狙って」
「え?あれ全部食べてたらまずくない?殺意満々じゃーん」
そうだぞ。こいつは、俺を殺してるんだからな。
天野先生も被害にあってる…。
「えぇー…怖ー…」
「ちょっと…なに勝手な事言ってんのよ…」
宇佐美は、俺から手を離して必死に周りに自分は無実だと言い張っていた。
しかし、今どきの子供達はSNSを使いこなす。
カシャカシャと宇佐美の写真をクラスのほとんどが、撮っている。
「やめ!やめてよ!」
俺の渡したクッキーを踏み潰すとそのままクラスを飛びたしていってしまった。
「……プッ」
本当は、大きな声を出して笑いたかった。爆笑したかった。落ちたクッキーを拾いながら笑いをこらえるのに必死だった。
「あーぁ…成田さんが、せっかく作ったのに…ねぇ?」
渡辺が、いい人のフリをして一緒に拾うのを手伝ってきた。
「あ…うん…いいんだ。」
「もしかして?これも毒入ってたりして?」
「え?」
「冗談!成田さんは宇佐美とは違うよね」
ニッコリと笑う。冗談に聞こえないんだよ…お前みたいに八方美人で腹黒く悪意の塊がそんなことを言ってきたら。
転生したらJKになっていたので復讐してみた ナユタ @nadabashi
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