第7話うずまきロボが壊れちゃった!
こんにちは、ナコです! 今日は大変です! なんと、うちのうずまきロボットが壊れちゃいました! すぐに新しいのを頼まないと⋯⋯
所持金21円、うずまきロボ7円。全財産の3分の1を使うことになる。しかし、つべこべ言っている余裕もないのですぐに注文した。4時間で届いた。
『ドウモ、うずまきデス。ヨロシクオネガイイタシマス』
くさい。このうずまきくさいぞ。クレーム入れなきゃ。
『お電話ありがとうございます。うずまきうずまき株式会社、山下が承ります』
「すみません、新品買ったのにくさいんですけど、これどういうことですか」
少し腹が立っていたのでちょっとだけ強い口調で電話した。電話に出たのは声の調子から40代くらいと思われる女性。
『どういった香りでしょうか』
「窓開けたら隣の市から苦情が来るくらいの臭いですね」
『それは仕様です。スタンダードうずまきはその香りですよ』
マジで!? 前のうずまきはそんな臭くなかったんだけどなぁ。お父さんが昔買ったやつだから型が違うのかなぁ。
『別売りのアタッチメントをつけると香りもカスタマイズ出来ますよ!』
あ、そういうシステムなのね。前のうずまきはお父さんがカスタマイズしてたのか。
「じゃあ、買います」
『65兆円になります』
え、高くね? 65兆円ってなに? 普段使わない単位だからピンと来ないけど絶対高いよね。
「今14円しかないんですけど、買えますか? 全財産なんですけど」
『しょうがないですね、おまけですよ! ジャジャジャジャーン(運命)』
次の日、アタッチメントが届いた。つけてみると先日のうずまきを超える悪臭を放った。隣の国からも苦情が来てしまった。
「ちょっと、前回よりくさいんですけど!」
『申し訳ございません、お送りする商品が間違っていたようです。お詫びと言ってはなんですが、909兆円のアタッチメントをお送り致します』
次の日、黒いアタッチメントが届いた。アタッチメント単品の時点でかなり臭いが⋯⋯
「火星から苦情来たんですけどー!」
『もう、うずまきロボくらい自分の知恵でなんとかしたらいかがですか! 最近の子はアタッチメントにばかり頼ってるからこうなるんですよ!』
えぇ、めっちゃ怒られたよ。これ私が悪いの?
『失礼しました、少し言い過ぎましたね。仕方ない。秘密のアタッチメント、×××円のを差し上げます! ジャジャジャジャジャジャーン! (超運命)』
値段聞き取れなかった⋯⋯でも秘密と言うくらいだから、とても高価な物なんだろう。次の日、金庫に入ったアタッチメントが届いた。事前に聞いていた暗証番号で鍵を開け、うずまきロボに取り付ける。
「世界が終わり、世界が始まるのさ」
うずまきロボが初めて喋った。初めての言葉がこんな不気味な言葉だなんて。。てんなだ葉言な味気不なんこが葉言のてめ初。たっ喋てめ初がボロきまずう
(え!? 時間の流れが逆向きに! もしかして、宇宙が収縮している!?)
ナコの人生18年。全て逆再生で過ごすこととなる。つまり、あと18年で存在が消えてしまうのだ。
皆後ろ歩きをし、口からカレーを吐き、うんちがお尻に帰っていく。(タダイマー)
よく見ると、1人だけ普通に見える人がいる。この男だけ前向きに歩いているし、ご飯も普通に食べてるし、うんちも普通にしている。この人は元から逆向きに生活していたのだろう。
私たちはどんどん小さくなっていった。子どもになり、お腹の中に戻り、存在が消えた。過去に亡くなった人物達も生き返り、小さくなり消えてゆく。うずまきロボットももう居ない。
一方、ただ1人生き残った例の元から逆向き生活男は皇帝として君臨していた。誰もいない世界。もう間もなく彼も消えるだろう。宇宙の終わりなのだ。時間が過ぎ、朽ち果て、皆消えた。
どうしよう、成り行きで全員消滅してしまった⋯⋯
まだナコの街書きたいのに⋯⋯
みんな居なくなったのでこれにて完結です。
※追記
消滅したみんなを生き返らせて続編を書いているので、そちらも合わせてどうぞ!
ナコの街 猫大長老七宝 @Nekocho-shippo
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