あの世とこの世のあわいに。

 廃墟にも見える古いぼろアパートに、一人の老人が住んでいた。妻に先立たれ、独り身となった主人公だ。その主人公の隣りに、一人の老人が住むことになったことから、主人公の運命は狂いだす。
 夜な夜な響く騒音に、主人公は隣の部屋に怒鳴り込む。そこにはお香の匂いが充満していた。何でも老人はこのお香と鉦の音で、死んだ妻に会うのだと言う。本当にそんなことができるなら、主人公も死んだ妻に会いたかった。そこで、そのお香を分けてもらおうとするのだが……。
 この話をしたら、呪い殺されると、老人は言った。
 主人公はその話を信じなかった。

 果たして、主人公の運命は?

 是非、御一読下さい。