第9話 貧乏神
わたしはずっと貧乏でした
わたしの名前は
わたしは孤児です。わたしが10歳の時に両親は交通事故で他界しました。反対側の車線から対向車がぶつかって来たのです。
でも、わたしは自分の人生に悲観などしていません。両親が他界した時は、そりゃ悲しかったですが。わたしは40代半ばで他界した両親の為にも「生きねば」と思っています。わたしと両親がお世話になった孤児院は、ある資産家の方が「社会貢献の一環」として設立し運営されています。この孤児院は院長先生を始めスタッフの方々も皆が良い人ばかりです。わたしが両親の死から立ち直れたのも、この孤児院の皆様方のお陰なのです。
わたしが10歳になるまで、わたしの家は決して裕福とは言えませんでした。はっきり言って貧乏でした。しかし、わたしは「その事が嫌だ」と思った事は1度もありません。わたしの両親は明るくて常に前向きな人達でしたから。お金が無くても
両親の他界によって保険金として多額のお金がわたしに入って来ました。わたしは、その全額を孤児院に寄付しました。孤児院を設立した資産家の方の事業が思わしく無く、孤児院が財政的に苦しくなっていた事を知っていたからです。院長先生はわたしの申し出を断りました。「それは、
わたしが高校を卒業する時に進路指導の先生はしきりに大学への進学を
それに。
その頃のわたしには判っていました。
どうやら「わたしはお金には縁が無い」と言う事が。
わたしには判らない「何らかの力が関与している」と言う事が。
つづく
続・そこには存在しない何か 北浦十五 @kitaura
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。続・そこには存在しない何かの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます