episode.1

…全く、朝というのは何時の時代でも憂鬱な物である。私は変わらず鳴り続けるアラームに辟易としながら、その眠たい体を無理矢理駆動させようと奮起した。

「むりぽ…」

思わず声が漏れる。だって、無理なものは無理だ。

きっと、人類は起床15分は移動が困難になる独自の進化を遂げてしまったのだ。そう思い込まないとこの不可思議な現象には説明がつかない。へ?みんなは直ぐに動けるって?ははは…おかしなことを言うのだな。多分そいつらは人間じゃない、別の生き物なんだ。そんな1人芝居を続けながら温かいお布団の上でモゾモゾしてると、そろそろアイツがやってくる頃になってしまった。


「いい加減起きろ!この合法ロリめ!」


あーあ、朝からなんて騒がしい蛮声なんでしょう。全く持ってナンセンスだわ。


「毎朝毎朝1人だけ集合に遅れやがって…!その度に起こしに行かさせる俺の事を少しは可哀想だとは思わないのか?!そもそもこのバディなんてクソ制度が無きゃ負担も少しは軽くなるんだが…」


朝からゴチャゴチャと喚き散らかしてるこの男は名をギルという。なんでも連邦七天魔導士の内の1人、ロンメル・クリスフォードの息子(笑)らしく、(私はこいつに魔力量測定で負けたことは無いが)相当のお家柄を持って生まれてきたらしい。それでいて私のバディだ。(勿論、私がこのクソ童貞触覚ボーイをバディと認めた事実は一切無い。)


「オラァ!いい加減起きて支度しろやぁあああああ!!!!!!!」

「ああああああああ!!!!私の布団があああああああああああああああああああ!!!」


ヤツに物凄いスピードで布団を剥がされてしまった…

「全く、なんて事をするんだ君は…何人たりとも、人の2度寝を阻んではならないと聖書から教わらなかったのか?!」

「そんな文言聖書に載っててたまるかぁ!いいからさっさと食堂に行け!!!飯が冷めるんだよぉ!」

おっとそれはまずい。私は戦争とこいつと冷めたご飯が1番嫌いだ。さっさと下へ参ろうではないか。


そうして私は足早に部屋を出て、1階の食堂へと向かう。無論、ヤツと一緒に行く訳が無いし、貸しを作るなんて論外なので、ヤツだけ│[瞬間移動]《テレポート》で食堂へと送り返しておこう。本当はシベリアにでも送っておきたいものなのだがな…


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Auras ~ At the end of the journey, the sky roars ~ @reiclock

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