糖尿病奮戦記

@bingoyotaro

第1話

糖尿病になって気づいたのだが、現代日本の私たちは恐ろしいものを食べているということである。

初めのうちは「こんなことになって」と悔しい気持ちでいっぱいだったが、しかしこれを契機にして血糖値を測定するようになり、食の安全という問題について考えるようになったのは、怪我の功名というか、ある意味糖尿病のおかげで大切なことに気づかされたようなものである。

普通の人で、食事の後に毎回毎回血糖値を測定する人などまずいない。


一般に血糖値を下げるには糖質制限が効果的と言われる。すなわち、米、麦、パン、麺類などの摂取を控えるのがよいというのだが、私は毎食後に血糖値を測るようになって、これが必ずしも真実ではないのではないかと思うようになった。

ご飯はむしろ食べた方がよい。

怖いのは食品添加物である。

私は魚の干物を食べた時に血糖値が上がることに気づいた。

常識的に考えれば、血糖値を上げる要素である炭水化物は含んでいない食品である。

私はインターネットで調べるうちに、魚の干物には防腐剤が使われていることを知った。その防腐剤が私の血糖値を上げていたのである。

ご飯はまだ納得がいく。100gのご飯を200gに増やせば、食後2時間で血糖値は100gなら120mg/dl以下に収まるが、200gで180mg/dl近くに上がる。

だが、防腐剤の入った干し魚などはほんの一口食べただけで食後2時間で180mg/dlくらいになることがある。

また、これは防腐剤とは関係ないことだと思うが、カレイの子や子持ちししゃも、そして明太子やたらこといった魚卵も私の場合血糖値を上げる。

いろいろ調べたが原因は不明である。

そして、刺身を使う寿司でも問題がある。一皿100円などという安い回転寿司チェーンのッ店で寿司を食べると、寿司飯の量は120g以下であっても血糖値が跳ね上がる。

高級な寿司店ではネタが良いせいか、そういうことはほとんど起こらない。

スーパーの弁当類や惣菜なども同様で、これも血糖値を上げる。

アジのフライやトンカツなどの油分の多い惣菜が血糖値を上げるというのは理解できるとしても、ほうれん草のごま和え、高野豆腐、アサリのぬた、そしてきんぴらごぼうといった惣菜でも血糖値を著しく上げるというのは、血糖値を測るようになるまで気づかなかったことである。

菓子パンなどは特に怖い。賞味期限が数日あるようなクリームパンやあんパンなどを食べると、昼に一個食べただけでも夕方頃までその影響が残り、血糖値は高止まりのままである。おそらくかなりの量の防腐剤が使われているのではないか?

ただ、ハムとウィンナーなどは食べても血糖値が上がらない。防腐剤なども添加されていることが製品の包装に明記されているのだが、少なくとも茹でて食べている限りはウィンナーで血糖値が上がることはない。


しかし、意外かもしれないが、糖尿病に効くといわれるサプリメントも怪しいことに気づいた。

各種のビタミン剤や血糖値を下げるといわれる薬草や香辛料なども試してみたが、それほどの効能はない。

サプリメントにも防腐剤が含まれている。

むしろ、サプリメントなどを一切摂らない方が血糖値の数値がよくなった気がする。

こうした事実は病院の医者も管理栄養士も何も教えてくれない。

ただ、血糖値を検査して、薬をわたすだけ。

私が重要な情報を得たのはインターネットからである。

他の情報源は当てにならない。

それはそうであろう。TVや新聞などがサプリメントや食品添加物の問題などを本気で取り上げるわけがない。

なぜなら、彼らにとってそうした製品を扱う業者は大口のスポンサーだからである。

しかし、インターネットは違う。

誰からの制約も受けないから、自由に物が言える。

中には医者ですらが糖尿病治療の真実について語っている。


また、小麦や大豆に含まれるレクチンやグルテンといったものが腸壁に悪い影響を与えることをインターネットを通じて知った。

これらの成分は腸内で消化されることがなく、腸壁にへばりつく。そして、腸壁に小さな穴を開け、そこから腸内細菌が血管の中に漏れ出す。

それが血液内に抗体を作り出すきっかけを与え、生じた抗体が毛細血管を傷つけて刺激を与えることによって花粉症などの炎症を引き起こすというのだ。血糖値に悪影響を及ぼすことは言うまでもない。

腸内細菌は腸内にいる限りは問題ないが、それが体内の他の場所に運ばれれば悪さをする。

しかし、小麦の問題についてマスコミなどはあまり大々的に取り上げない。

パンやパスタが危険だとか、レトルト食品には大量の食品添加物が含まれているなどとマスコミが騒ごうものなら、たちまちのうちに食品や飲料水、果てはアルコール飲料関連のスポンサーまでもが広告から手を引く。

私が小学生だったのは今から50年以上も昔のことであるが、あの頃アトピーだとか花粉症だとかで騒ぐ子供は一人もいなかったように記憶する。

これらの病気に限らず、糖尿病の患者が増えだしたのも最近になってから、と言っても30年くらい前からだろうか、のことのような気がする。

やはり、米国から輸入される農産物、特に小麦やトウモロコシ、そして牛肉や豚肉、また米国製の配合飼料(米国産のトウモロコシなどが含まれている)で育てられたニワトリやその卵などの影響が大きいのではないか?

米国産の農産物には除草剤、防虫剤、そして消毒剤など大量の薬品が使用されている。

また、本来使ってはいけないはずの抗生物質も牛などの家畜に投与されている。

1960年代の米国の世相を捉えた映像を目にする機会が多いが、あの頃の米国人は

変な太り方をした人はいなかった。

しかし、最近の米国人の太り方は異常だ。

腹の部分が異様に突き出し、太ももや二の腕の部分への肉の付き方もぶよぶよしていて気持ちが悪い。

よく「肉食がよくない」とか「脂肪分や糖分が多すぎる食べ物を摂取し過ぎだ」という言葉を耳にするが、それだけが原因とは思えない。

例えば、アルゼンチンは牛肉の生産量が世界有数の国であり、国民も牛肉を大量に消費している。しかし、米国人のような変な太り方をしている人は、少なくともテレビなどでアルゼンチンを紹介した番組で見る人々の中には、ほとんどいない。

アルゼンチンでは牛を自然なまま放牧している。広大な草地があるため、そこで自由に牛を育てている。だから、牛肉を食べても人間の体型がおかしくなったりしないのではないか?


どうも米国産の食品に何か怪しいものが含まれているという気がしてならない。

ご飯の食べ過ぎが原因というなら、ご飯の消費量はむしろ減っている。増えているのは小麦製品である。

パン、パスタ、ケーキ、クッキー、そして揚げ物に使われるパン粉など、いずれも小麦、大麦、オーツ麦、カラス麦、もち麦、などなどがその原材料だ。

むろん、日本人が昔からそうめんやうどんなどの小麦製品を食べてきたことは事実得あるが、しかし、国内産の小麦と外国産の小麦、特に米国産の小麦では性質が違うような気がする。

太平洋をはるばる航海して日本に運ばれてくる外国産の小麦には大量の防虫剤や防腐剤が散布されているという。

これが人体に悪影響を及ぼさないわけがないではないか。

私は麦製品の害に気づいてから、それまで毎日のように飲んでいた麦茶を止めてみた。すると、何十年も悩まされてきた花粉症から見事に解放されたのである。


私は、インターネットで糖尿病のことを調べるうちに、「小麦は食べるな」「大豆などの豆類には人体に毒となるレクチンが含まれている」「牛乳とパンの組み合わせは危険」といった記事を多く目にするようになった。

花粉だけではなく、こうした食品がアレルギーの元になっているのだ。

それが証拠に私の花粉症は花粉が飛ばないはずの冬季にも起きていた。

だが、こうしたことは耳鼻科の先生は教えてくれない。

私が冬場に耳鼻科に通院し、「こんな時期でも花粉症になるんでしょうか?」と医師に聞いたら、医師は「ある」とだけ答えた。

本当の原因を彼は知っていて言わないのか、それとも知らないから言わないのか、どちらかは分からない。

いずれにしてもこんなことで治るのなら耳鼻科は儲からなくなるだろう。

ただし、季節の変わり目にはやはりくしゃみが出やすいのは変わらない ので、小麦だけが原因ではないかもしれないが...


もう一つ最近気づいたことがある。

私は体質的に塩分が多めに必要なのだ。

塩分をしっかり摂ると血糖値も下がる。

だが、私の妻は塩分を極度に嫌う。少しでも塩分が多めになると「塩辛い」といって食べたものを吐き出そうとするくらいだ。

実際、彼女の血圧を測ると普段は120前後なのに、塩分が少し多いだけで150近くにまで跳ね上がる。

しかし、私の場合はそんなことはない。

それほど血圧は塩分で影響を受けない。

塩分をかなりとって高くなるとしてもせいぜい130ぐらいのものだ。

考えてみると、私の妻は先祖代々海辺の近くで生活してきた。

普段から刺身を常食していてそれほど魚の干物などは食べていない。

だが、私の祖先は山の民で、山奥で暮らしてきた。

新鮮な魚介類など手に入らないので、遠くの海辺から運ばれてきた塩をたっぷり使った干物を食べてきたはずである。

私の祖母は95歳まで生きたが、塩辛いものが大好きであった。

しかし、心臓も脳もどこも悪くならず、血圧もほとんど問題にならなかった。

最後はさすがに多臓器不全になって亡くなったが、それが塩分の取り過ぎだなどと言う人はいないだろう。

最近日本では「塩分の取り過ぎに注意しましょう」と医療関係者や厚生省が声高に叫んでいるが、それが必ずしもすべての人に当てはまるとは限らない。

考えてみれば、砂糖を摂らなくても人は死なないが、塩を摂らないと人は死ぬ。

塩は神経の伝達にも深く関わっているし、栄養素が細胞に行き来するのは浸透圧の力によるものだ。

要するに血液中の塩分濃度の違いによって体内で栄養素を行き来させているのある。

塩分濃度が濃い方が身体の調子が良い人もいるのではないか。

また、塩分を摂ると体温が上がるという。

体温は健康を維持する上で重要な役割を果たす。

ガン細胞も体温を上げれば死滅する。

塩の大切さをもっと見直してもよいのではないか。






















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