私の彼女は発情中

でずな

発情



 私とララは高校生の時出会い、仲良くなった。

 ララは海外出身。小さい頃はアメリカに住み、親の都合で日本で生活することになったらしい。

 金髪で、容姿は見るからにアメリカ人なのに日本語はペラペラなのだ。


 そんなララとは今では同性カップル。

 お互い社会人になり、時間が合わないことはあったけど時間が合ったときには外に出かけたり、映画を見たり、ちゃんと彼女になれていたと思う。


 私は上手くいってたと思う。

 けど、ララにはなにかしらの不満があったのかもしれない。

 

 なぜならララはある日突然、してしまったから。



「ささちゃぁ〜ん。これで遊ぼ?」


 目の前に出してきたのは細長い棒。

 ぶるぶるしたりする、普段は夜に使っているアレ。今は空耳で二ワトリの鳴き声がきこえてくるような早朝。少し前なら、「するわけないでしょ」とすぐ拒絶していたがもう慣れた。


 にへへ。と火照った顔を向けているララをむりくりずらして、朝ごはんを作ることにする。


「んっ」


 無視するといつも一人で始めるので、料理に集中できないのが唯一の難点。


「ごちそーしまでした」


 私とは一遅れで朝ごはんを食べ終わったララはまだ満足していない。


「ねぇヤろ?」


 洗濯物を干したり、家事諸々をしている時、必ず声をかけてくる。それもベットへの誘いの声。

 普段ならここで私は大体誘惑に負けて「わかった。じゃあこれが終わるまで待ってて?」と、言ってしまうところ。

 けど今日は私自身余裕があるので……。


「むーり。今日はスる気分じゃないから諦めて」


「そ、そんな……!!」


 膝を床につき、両手のひらを床に。

 「くそー!!」と言わんばかりに、地面を睨んでいる。


 今、ララは私が見た中で一番衝撃を受けているように見える。「むーり」と一番最初に拒否したのが悪かったのかな?


 私がそんなふうに服を畳みながら一人でに反省していると、ララは諦めたのかソファに横になって不貞腐れてしまった。

 


「う〜う〜」


 足をもじもじさせながら、指を加えて赤ちゃんのような顔で見つめてくる。

 発情していたはずなのに、誘いを拒否したら幼体化してしまった。

 まぁでもこれもこれで可愛いからいい。


 服を畳み、掃除機をかけ、物を整理し、大体やるべきことは終わった。もうソファには不貞腐れているララはいない。

 掃除機をかけてたとき、ベットルームの方に逃げ込んでたのを私は見ている。


「な〜にやってんのかな?」


 きっちり締められたベットルームの扉の前で思考を巡らす。


 一人でベットがある部屋に。その言葉を考えるだけで、発情しているララがナニしているのか予想がつく。


「ララァ〜ここにい……」


「はぁはぁ……んっ」


 やっぱりシてた。

 予想通りで呆れようとしたら、私の目にララが見ている映像が入ってきた。

 大きく壁に映し出された映像。

 そこには全身肌色の女性が映ってた。

 そう、まるで私のような……。


「ちょちょ! こんなのいつの間に撮ったのよ」


 慌てて映像のコンセントを抜いた。


「んへぇ?」


「だ、か、ら! この映像いつ撮ったの!? 私、撮っていいなんて言ってないんだけど」


「えぇ? この前ささちゃんが酔っ払って私のことを襲ったとき、撮ってオカズにしてもいいって言ってたじゃん……」


 そんなこと……言った? 

 たしかに酔っ払って、ララのことを襲ったのは覚えてるけど……。その後のことは全然覚えてない。

 さっき少し見た映像から、私が気づかなかったとは考えにくいし……。


「撮っていいって言ったのはわかったけど、そんな映像わざわざ壁に映し出す必要なんてある? せめてパソコンにしてよ……。恥ずかしい」


「んへへ。恥ずかしい? 恥ずかしい? いつもベットでわたしに見せてる格好の方が恥ずかしいんじゃないの?」


「ぐっ」


「何も言えないってことは、今ささちゃんはサれてるところを思い出してよね? ね?」


 この発情女……。

 ここぞとばかりに煽り始めてムカつく。


「あれれ〜? その顔、もしかして怒ってる?」


「怒ってないし」


「図星だぁ〜! そんな怒ってるのなら、私のことをベットで屈服させてみてよ? あっ。それは出来ないか。だって今日はそういう気分じゃないんだもんね〜?」


 あぁ〜。ダメだ。

 こんなこと言われて黙っていられるわけがない。


「うるさい。そこに仰向けになれ」


「んへへぇ〜。私のことを満足させられるかなぁ〜?」

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私の彼女は発情中 でずな @Dezuna

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