石井と長谷川という2人の女子高生の素敵な日常を描いた作品です。
ギャグ、R-15、青春、そして百合。この小説をどのジャンルの作品として読むかは人それぞれですが(そしてどのジャンルの作品としても読めるのですが)私はこの作品を「色々なジャンルの特性を生かした総合芸術」としてハイレベルだと感じました。
石井と長谷川の関係は最初から最後まで美しいほどに2人で完成している、いわば閉じているにもかかわらず、同時に様々な要素によって開放感を感じさせます。そしてこの閉塞と開放、緊張と弛緩の両立が、先へ先へと読者の関心を惹きつけ、ページをめくらせます。
その開放感を感じさせる諸要素が何かと言えば、それは漫才のような掛け合いがもたらすツッコミ役としての読者の存在の許容であり、2人に知識(ロクなものではないし、それに振り回される2人もロクでもない)を与えるインターネットへの接続であり、学園という他者との関わりが強要される空間です。言い換えれば、ジャンルの特性・タイトルに象徴される作品のテーマ・舞台設定のすべてが石井と長谷川の関係を巧みに盛り立てているのです。
それはもちろん、あくまでも焦点を一つ、美しき関係性に絞って徹頭徹尾書き上げる筆者の実力あってこその技術であることも明記しておきたいと思います。
もし読む前にレビューに目を通している読者がいるなら、丁寧な質感の百合を、諸ジャンルの特性を活用してより尊く仕上げた本作の素晴らしさを、こんな堅苦しいレビューからではなく実際に作品を読んで味わってください。
友人から「面白いからおすすめしたいんだけど、私がすすめたって言わないで」と妙な紹介の仕方をされて試しに第一話を読んだが最後、はちゃめちゃなスピード感で押し寄せてくる面白さに屈服し一気読みしました。とにかくすごく笑ったし、主人公の二人が超かわいいし、予想もできないジェットコースターのような展開に最後まで振り回されました。
息もつかせぬ笑いのセンスもさることながら、展開と構成で読ませる手腕とセンスがすごい。主人公のモノローグ主体で会話文も多いというカジュアルな文体ながら、作中で描写されるキャラクターの動きや騒動の顛末は過不足ない描写量で、そのうえ登場人物までどんどん増えていくのに全然破綻しない。さらっと書いているように見えて、これは作者様の確かな実力と懐の広さがなければここまで面白い作品にはならなかったでしょう。
みんなおバカでみんな魅力的に見えるのは言動がブレてないからで、終始コメディに徹しつつもそういう生きてる人間と人間を描くという大前提を崩さず抑えてる上手さに脱帽です。
噛み合わないようでいてちゃんと通じ合ってる二人。もうググらなくても、この先は話して解決できるから大丈夫。青春ってきっとおバカなほど輝くんだなと思いました。
まぁ、あれですね。
タイトルのままなんですが。
まず、笑えます。
ギャグセンスわけてほしいです。
こういう若干シュールな笑いを提供できる人すごいですね。
面白いです。
笑えると同じじゃね? と思うかもしませんが、若干ニュアンスが違う。
微笑ましいです。
まー、もう。見てて微笑ましいバカップル具合といいますか。単にバカといいますか。
可愛いです。
カワイイんです。二人とも。
エロ……くは、ない。かな。うん。
いや、エロいこともエロい話もしてエロいアイテムが堂々と登場しているんですけれどね。
あれ? 一周まわってエロい気もしてました。エロいかも。うん、ちょっとエロい。
例えるならTE○GAを一輪挿しにするくらいの感覚のエロさです。
百合と下ネタいけるぜ!って人ならオススメですね。
読んでて腹抱えて笑ってしまったので公共の場では読まない方がいいです。
とにかくパワーフレーズが多すぎる。2話目の「手を合わせる為に買われたろうそくが、手じゃなくて貝を合わせる現場で用いられる」という文章で神の実在を確信しました。こういうフレーズがバンバン飛び出してきます。鬱に効きそう。約3万5千字しかないとは思えないほどの密度と満足感でした。
一方で百合らしい尊み要素についても堪能できます。とにかく長谷川ちゃんとえっちがしたい石井ちゃんと、さりげなく愛が重い長谷川ちゃん。パワーが強すぎる展開の間にさりげなく挟まれる愛情描写はずるいの一言。こんなの百合厨好きに決まってる。
ギャグとしても百合としても光ってます。やっぱりぜひ人前で読んでください。