それでも行くしかない

真っ暗な帰り道、独り行く

通り過ぎる楽しそうな笑い声

僕はもうそっちに行けないな

笑うにはあまりに失いすぎたから


楽しい話なんか僕には出来ない

だから誰もが僕を嫌った

今日も通り過ぎていく雑踏は冷たい

誰かの舌打ちと陰口が肩にぶつかってった


昔親しかった人の陰口が僕を刺して

仲良くなったと思った奴らの裏切り

気付けば孤軍進行中の現実を見て

「死にてえ」って言葉を何とか飲み込んだ


「僕が死んだ所で誰も悲しまない」

本当そうだよなあ

「誰も僕の事を好いてない」

本当そうだよなあ


何度目の涙、午前二時

僕には本当何も無い

生きる意味も存在する意味も無い

生き続けてる理由なんか無い、死ぬ理由しかない


だから「死にてえ」って言いたいんだ

だけど分からない他人に嘲笑われて

今日の僕の苦しみは誰かに袋詰めて捨てられ

「構ってちゃん」ってレッテルを貼られて


「全く生きづらい世の中だ」

なんて嘯ける奴は幸せ者だ

そう愚痴れる奴が要るなら幸せ者だ

そんな奴らを繁華街の路上で寝転がって睨みつけ


そうするしかない己を恥じた

取り返せない過去が「諦めろ」って煩い

「苦しい」「辛い」って言うだけじゃ癒えない傷

見ないようにしてた泣くほど痛い傷


楽しみだったはずの日々に切り刻まれて

せっかく癒えたと思ってた傷口が開いて

あの頃のように叫びたいほどの希死念慮を

どうにかこうにかこうしてパッケージして


「そうするしか何も言えない僕の未来よ、

どうか明るい未来でありますように」

とか言えるかよ馬鹿が

そう叫びたい気持ちすら押さえ付けて


今日も笑顔を取り繕う

自分にすら笑えないくせに人に作り笑い

その作り笑いを半分分けてくれ

そう願うほど手が痒くなって


もう限界だ

何もかも限界だ

この世界に味方など居ない

「俺は味方だ」と言う奴を信じるな


そう血反吐を吐いて自傷して

それでも朝ってやつはやってきて

死にきれないから行くんだよ

「理不尽」は到底片付けきれない世界に


フィクションの主人公のように幸せになれたら

きっとそんな僕も報われるのかな

いやきっとそれでも満たされない空白がある

創作でも埋められない一生モンの空白が


どうか俺のようになってくれるな

少なくともそばに誰かがいるんなら

君はきっと幸せになれるから

こんなところにいるな、さっさと行け

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また夜を往く 晴曇空 @seikagezora

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